研究課題/領域番号 |
25370474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平田 昌司 京都大学, 文学研究科, 教授 (50150321)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中国語学 / 学術用語 |
研究概要 |
今年度は、全国各地の研究協力者の参加を得て、全6回(4月23日東京、6月30日東京、9月29日東京、10月27日東京、11月23日東京、1月13日京都)の研究打合せを開催した。 まず、現在用いられている中国語学の専門用語、さらに中国語史研究にあたって必ず言及せねばならない文献資料名はなにかを検討し、確定作業をすすめた。調査研究の過程においては、日本の『中国語学新辞典』(1969年)、『言語学大辞典6術語編』(1995年)、大西克也・宮本徹『アジアと漢字文化』(2009年)、中国の『語言学名詞2011』(2011年)、劉月華等『実用現代漢語語法(増訂本)』(2001年)などから、研究協力者が分担して用語を採集した。これらの用語は、中国語を他言語と対照したとき、特に説明が必要だとすべきだと考えられる事象のリストともなっている。 並行して、やや早い時期の中国語研究における用語の収集にも努め、馬建忠『馬氏文通』(1898年)、朱徳煕『語法講義』(1982年)など、現在では古典となった文法書にあらわれた術語の調査研究もすすめた。 以上の作業の結果、約1500項目の用語リストを作成した。そのうち音声学・統語論を中心とする約500項目については日・中・英を対照できる形式としている。これらの中から約1200の用語を選定し、各項目の定義に関する具体的解説を作成するための作業を継続している。中国の古典語と現代語との間で、ある言語現象のあらわれかたに差異がある例には特に注意を払うようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多数の研究協力者の助けを得て、現在の日本の中国語学用語に関して、ほぼまんべんなく調査をすすめつつあり、おおむね順調に進展している。 ただし、日本の学界の研究がやや手薄な分野に関しては、今後のさらなる補充が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者の支援を得ながら、平成26年度に予定していた、(1)1970~90年代、(2)19世紀、(3)1990年代以降に使用された中国語学用語の調査研究、(4)中国新出土・新発見の一次資料リストの作成をおこなう。これにより、中国語学用語・中国語学史の変遷に関する知見を深めることができるものと考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
アルバイトの雇用経費を節約した結果、人件費・謝金について余剰が生じた。 平成26年度には、データの取りまとめ作業のために比較的多くの労力が必要であり、人件費・謝金の増大が見込まれる。
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