1.長谷川信弥(代表)は、2015年9月に前年度に引き続き、アンドラ公国国立図書館およびバルセロナ大学において、アンドラにおけるカタロニア語の資料を収集した。まず、9月17日および18日に基礎資料として、1930年代にスペインで途中まで作成され公刊されたイベリア半島の言語地図(通称ALPI)におけるアンドラ公国内のデータ、また1962年にアンドラで作成されスペインで発行された言語地図があるが、これらを所蔵しているバルセロナ大学図書館において閲覧、データの収集、複写をおこなった。また、現在、順次刊行が進められているカタロニア語圏言語地図のデータも複写した。さらに、9月21日から25日に、アンドラ公国国立図書館では、1970年代に同国内で発行された出版物、とくに民話や小説などのコーパスとなり得る資料を閲覧し、法令で許された範囲でこれらの資料の複写をおこなった。 2.塚原信行(分担者)は、2016年3月15日に前年度に続きアンドラ政府言語政策部門長Joan Sans氏と面談し、過去1年の言語政策の状況について聞き取りをおこなった。その結果として、政策上の状況には大きな変化のないことを確認した。また、3月16日に前年度に続きアンドラEscaldes-Engordany初等学校を再訪問、Meritxell Massoni校長と面談し、コンピーテンシーベースカリキュラムへの移行状況について聞き取り調査をおこなった。その結果、順調に移行中であることが判明し、同国の教育現場における改革の進捗状況を確認できた。 3.以上のことから、今年度計画した調査、資料収集は予定通りおこなうことができたと判断できる。また、長谷川信弥(代表)は2017年1月に、塚原信行(分担者)は2016年10月に、ともに関西スペイン語学研究会例会にて上記の研究成果を口頭発表する予定である。
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