本研究の目的は、ニジェール・コンゴ語族の動詞および動詞を中心とする統語構造に関する類型論的特徴を明らかにすることである。これまで研究を進めてきたバントゥ諸語とヨルバ語を中心として、他の言語の資料も加えながら、バントゥ諸語が動詞の派生形で表し、ヨルバ語が動詞連続構文で表すような構文について、形態的・統語的な観点から分析・比較し、動詞を中心とする構造の類型論的特徴の解明を目指すものである。 本年度の研究実施状況、並びに研究成果は以下の通りである。 ① 研究分担者の米田信子氏がナミビアに海外調査に行き(2015/12/20~2016/1/2)、バントゥ諸語のヘレロ語の調査をおこなった。その成果は、"Event integration patterns in Herero: The case of motion event components" という論文に著されている。 ② ヨルバ語の動詞連続構文の研究を進め、"Event Integration Patterns in Yoruba"という題で、国際会議(The 8th World Congress of African Linguistics、京都大学、2015/8/23)で発表し、Asia and Africa Languages and Linguistics vol.10(2016)に論文を発表した。 ③ 上記の国際会議で、海外のアフリカ言語研究者を招へいし、交流と情報交換につとめた。
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