研究課題
基盤研究(C)
清朝初期の音韻学文献「切字釈疑」(『古今釈疑』巻十七)を研究対象とする。著者の方中履は明清交代期に少年時代を過ごし、生涯在野の学者として生きた人である。「切字釈疑」はその20代の時期の作であるが、父方以智の著作と共通する内容を多く含み、父の学問の強い影響下で書かれている。言語の歴史的変化に対して一定の認識を有し、父がその著「切韻声原」に反映させたものと同様の音韻体系(明~清初期の官話音系、但し入声を有し折衷的)を標準音と認め、旧来の反切や韻図はこれに合わせて改訂すべきだと主張している。
人文学