時を隔てて行われた言語地理学調査資料を比較した。徳之島方言では、地域差維持、方言形の拡張、方言形の消失、新方言形の出現の4パターンがあった。三つの老年層の全国調査と若者の資料との比較で、新潟方言で西日本的語形の伝播が東日本的語形により阻まれた例と進行中の変化が見つかった。新潟方言の準体助詞(「あるのは」「行くのだろう」)について個別地図と集計地図の作成を行い、変化の方向を推定した。また、徳之島方言の壮年層調査により一段活用動詞連用形における新形式の台頭や方言敬語の活用形の消失について報告した。徳之島における否定の意思を表わす形式(動詞の連用形+「ある」の否定形)の存在と分布状況を明らかにした。
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