本研究は日本に存在する遼・金・元・清の各種民族古文字資料を電子化し研究資料として広く公開するとともに、これらの資料を文献学、文字学、音韻学の観点より研究することを目的としたものである。最終年度の平成27年度は以下の成果を得た。①電子化した資料を鮮明な画像と解説を付して公刊した。吉池孝一・中村雅之・長田礼子編著『遼西夏金元対音対訳資料選』古代文字資料館、2016年1月12日刊行(非売品)。②電子化した資料をウェブサイト「古代文字資料館」http://www.for.aichi-pu.ac.jp/museum/にて公開した。③研究成果として雑誌に論文を公表した。唐宋漢語の研究に供する契丹語等文献の目録について、漢語音・漢字音などについて 、『蒙古字韻』篆字母の実用例― 匣母字について― 、『蒙古字韻』篆字母の実用例― 微母字について― 、八思巴字官印集釈―『隋唐以来官印集存』の南陽等處毛胡蘆義兵百戸印―、八思巴字官印集釈―『隋唐以来官印集存』の管軍上百戸之印―、八思巴字官印集釈―『隋唐以来官印集存』の管軍下千戸所印―、八思巴字官印集釈―『隋唐以来官印集存』の湖陽等處武勇義兵百戸印―、八思巴字官印集釈―『隋唐以来官印集存』の左阿速衞親軍都指揮使司百戸印―、八思巴字官印集釈―『隋唐以来官印集存』の「管軍總把印」―。
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