本研究を通して、次の考察を行った。1、スペイン語医療通訳経験者と意見交換の機会を設け、この分野に不足している教材、医療通訳者をとりまく現状について議論した。参加者の協力により、スペイン語中級レベルの講座を対象とした新しいタイプの医療通訳教材開発に着手した。とくに異なる医療文化理解とその知識の身に着け方に注目して試作版を作成し、現在いくつかの講座で試用されている。医療通訳の現状については、すでにいくつかの学術雑誌で発表した。2、日本と同時期に爆発的に外国籍移民が増加したスペインの異文化メディエーション事業について聞き取り調査を実施し、日本の医療通訳と比較考察したものを学術書の一部として発表した。
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