研究課題/領域番号 |
25370491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
竹越 孝 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10295230)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 満洲語 / 中国語 / 清代北京語 / 満漢対訳会話書 / 清文啓蒙 / 清文指要 |
研究概要 |
本研究は、清代に刊行された満洲語と中国語の対訳会話書類を対象として、満洲語の意味や用法から見た清代北京語の語彙・語法面における特徴を分析しようとするものである。今年度の実施計画として、①清代の満漢対訳会話書に関する包括的な記述、②『清文啓蒙』及び『清文指要』の異本・関連資料に対する調査、③『清文啓蒙』及び『清文指要』に対する文献学的検討、の3点を掲げた。 ①に関しては、現存する清代の満漢対訳会話書を各種目録類からリストアップし、文献リストの拡充するとともに、各所蔵機関における実見調査を通じて、一次資料に関する記述を充実させた。 ②に関しては、『清文啓蒙』と『清文指要』の異本及び関連資料につき、日本の所蔵機関(東洋文庫、天理図書館、大阪大学外国学図書館等)以外に、イギリスの所蔵機関(British Library, University of London等)、フランスの所蔵機関(Bibliotheque Nationale de France等)を訪れて実見調査を行い、この両書に関する書誌学的な記述を残すとともに、関係資料の複写を収集した。 ③に関しては、上のような文献調査を基礎として、『清文啓蒙』と『清文指要』の異本や関連資料が相互にどのような関係を持ち、どのような継承関係を有しているかという点についての文献学的な検討を行った。そのうち、『清文啓蒙』の異本間における系統関係については概ね明らかすることができたため、それに関する学会発表を行い、結果を論文としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の実施計画に掲げた3点、即ち①清代の満漢対訳会話書に関する包括的な記述、②『清文啓蒙』及び『清文指要』の異本・関連資料に対する調査、③『清文啓蒙』及び『清文指要』に対する文献学的検討のうち、①②についてはおおむね調査を完遂し、③の『清文啓蒙』については分析結果を論文として公表することができたので、概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の実施計画に掲げた3点、即ち①清代の満漢対訳会話書に関する包括的な記述、②『清文啓蒙』及び『清文指要』の異本・関連資料に対する調査、③『清文啓蒙』及び『清文指要』に対する文献学的検討のうち、③の『清文指要』についてはいまだ分析を完遂していないため、この課題にリソースを集中して、次の段階に備える必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
文献複写の予定が1件少なくなったため。 文献複写に使用する。
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