「ベルベル人一般は自らの話し言葉を、書き言葉としてどのような方法で書簡に反映したのか」が三年間を通じての一貫した研究テーマであった。2016年3月、スペイン国立カディス大学で開かれた最終的な共同研究の報告会では、モロッコにおけるベルベル系若者を対象にした聞き取り調査の結果を報告し、その信憑性を検証する目的で、個人が使用したFacebook や携帯電話などの実際のメッセージを引き合に出した。調査の結果の総括として「ほとんどの若者は通信の際に、話し言葉としてのモロッコ・アラビア語を使用し、文字盤に表出されないアラビア語特有の発音には、数字を当てはめてメッセージを綴っている事実がある」と結論した。
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