研究課題/領域番号 |
25370499
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
片岡 邦好 愛知大学, 文学部, 教授 (20319172)
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研究分担者 |
池田 佳子 関西大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90447847)
秦 かおり 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (50287801)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 相互行為 / 職場研究 / 参与枠組み / 不均衡 / 談話分析 / 会話分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教育や技術指導、ビジネスに従事する熟練者と新参者に着目し、最終的には、個々の行為者が持ち込む言語・文化・認識的「不均衡」が、日常実践の中で「身体」や「環境」を通じて調整されるメカニズムを明らかにすることにあった。そこで本研究事業の最終年度においては、昨年度末(2015年2月)に愛知大学にて開催したラウンドテーブルの成果を、研究論文集の編纂という形で世に問うことを中心的活動とした。 その論文集では、研究代表者・分担者に加え、日常活動の相互行為分析を行う研究者らの論文投稿を招聘して、日常の相互行為に参加するための「参与枠組み」という概念を多角的に検証することとした。具体的には、2015年10月を論文原稿締め切りとし、2016年度夏の刊行を目指し、研究代表者・分担者が編著者となって査読・校正作業を進めているところである。ほとんどの原稿(13章分)は複数回の査読を経ているが、一般的な論文編纂にかかる時間と労力を考慮すれば、2016年3月までの刊行は困難であり、現在も編集作業は継続中である。なお、論文集刊行までの打ち合わせや印刷・編集用経費、成果発表のために、最終年度を超えて本基金を繰り越す手続きを済ませてある。 また、論文集編纂と同時に、研究代表者・分担者は本研究から得られた成果を国内外の学会にて発表しており(下記、論文・著書および学会発表の欄参照)、当初計画した成果公表の観点からは十分な認知度を確保したと考える。これまではデータ分析が中心を占めてきたため、本研究課題の成果として今後もさらなる成果公表に努める所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した事業内容はおおむね実行できたと考えるが、研究代表者に関しては海外でのデータ収集および海外研究協力者との共同研究が十分行えなかった点は悔やまれる。その反面、出版企画や国内研究者間の相互交流という点では、十分な成果を得たと考える。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度が課題の最終年度であったが、上述の通り、論文集の刊行に向けて現在編集作業を継続中であり、それに関わる費用を確保するために最終年度の基金の一部を2016年度に繰り越している。この措置により、刊行(2016年夏予定)に向けて効率的な援助が期待できる。 なお、本研究組織をさらに拡大して継続することを目指し、科学研究費に応募していたものの採択には至らなかった(A判定)。今後とも継続して申請し、さらなる研究の進捗を期す所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属機関における学務が多忙を極め、本来遂行すべき研究計画を実行できなかったことが最大の理由である。また、本研究会計画の成果として論文集を国内出版社から刊行すべく編集作業を継続しており、そのための経費を確保しておく必要があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の計画にもとづく出版企画は順調に進んでいるものの。刊行のためには2016年度秋ごろまで編集・校正作業を継続する必要があり、そのための編集者間の打ち合わせ旅費、専門知識の供与、索引作成に伴うアルバイト雇用費用などが見込まれるため、基金の繰り越しが必要となった。
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