本研究は1840-41年の阿片戦争前後から民国初期(1919年の五四白話運動)までを考察対象の期間として、英語学習の過程で身につけた英語音・英文法の知識が中国人の書面言語にもたらした言語特徴ついて実証的に研究することを目的としている。語音面については『華英通語・狩野本』(1855年)など広東語による英語教科書類に見える英粤対音標記の変遷情況分析により知ることが出来る。文法については民国初期(1918-1922)にニューヨークの二大学とケンブリッジ大学に留学し高度な英語能力を身につけた徐志摩(1897-1931)の翻訳作品文の“被”構文(受身表現)などに「歐化特徴」を顕著に見出すことが出来る。
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