2015年度が本研究の最終年となる。2013年、2014年とこれまでに現地調査等で収集したマレーシア語、タガログ語、ベトナム語、タイ語、フランス語、カタルーニャ語、中国語、ハングル語、チャモロ語、サオ語、ブヌン語カ社方言のうち今年度はベトナム語、タイ語、サオ語、ブヌン語カ社方言の存在・所有表現の言語資料の再確認調査を行った。そして、日本語の存在・所有表現との対照から、これらの言語における存在・所有表現の特徴を明らかにした論文を発表した。 また、最終年の総括として、これまでに現地調査をおこなってきたオーストロネシア系言語であるタガログ語、マレーシア語、台湾原住民語サオ語、ブヌン語カ社群方言の存在・所有表現について、日本語の存在・所有表現との対照からどのような構文形式で表わされどのような特徴をもつのかを明らかにしたうえで、『存在』『所有』に対する部族、民族のとらえ方の共通点、相違点を考察した論文を本年度国際連語論学会より2016年に出版予定の『鈴木泰教授の古稀記念論集』に掲載する予定である。
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