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2016 年度 実績報告書

在外ベトナム人の言語動態観察によるベトナム語の言語変容の記述と解明

研究課題

研究課題/領域番号 25370504
研究機関立命館アジア太平洋大学

研究代表者

田原 洋樹  立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (60331138)

研究分担者 チャン ティ・ミン・ヨイ  立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (80646125)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードベトナム語 / 旧ベトナム共和国
研究実績の概要

1.ベトナム国内外での調査を通じて、現在のベトナム語南部方言と、1975年まで存在したベトナム共和国で話されていたベトナム語との顕著な差異を指摘することができた。
2.言語音については、90年代初頭まで残っていた母音や頭子音vの異音が都市部においてほぼ消滅したことが明らかになった。人名や地名の表記にも変化があった。カリフォルニア州のベトナム系住民には、旧ベトナム共和国を支持し、現在の体制に抵抗する人々を中心に、これらの音を極めて意識的に使用している人々がいる。自らのアイデンティティを示す上で重要な手段となっているのはもちろん、半世紀のベトナム語の変容を考察するときに興味深い事実である。
3.語彙レベルでは、社会体制の変化による語の消滅、入れ替わり例を具体的に収集することができた。いわゆるサイゴン「解放」後のベトナム語純化運動などによる政策的な変化や、正書法の実質的な変更、さらに、こうした変化に抗おうとする在外ベトナム人の動きを観察し、論文報告した。また、インフォーマントとの日常的なやり取りの中で、かつて好まれた語法や、望ましいとされた話法を記述することになった。ここには統一直後の社会においては退廃的、反革命的と指弾され、忌避された表現も含まれる。しかし、在外ベトナム人コミュニティにおいてはそれを使い続けること自体が自己表現になっている点にも注目した。
4.調査地への研究成果還元を心がけ、カリフォルニア州内のテレビでトーク番組に出演して、研究の様子や意義、成果の一部について話すことができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「ベトナム語におけるフランス語のレガシィ」2017

    • 著者名/発表者名
      田原洋樹
    • 雑誌名

      『APU言語教育論叢』

      巻: 2 ページ: 10-17

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 「ベトナム語教育におけるheritageとlegacy」2016

    • 著者名/発表者名
      田原洋樹
    • 学会等名
      『アジアの少数言語と言語教育』
    • 発表場所
      東京外国語大学語学研究所
    • 年月日
      2016-12-02 – 2016-12-02

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公開日: 2018-01-16  

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