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2015 年度 実績報告書

方言の統語構造に関する記述的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370518
研究機関大阪大学

研究代表者

工藤 眞由美  大阪大学, 文学研究科, 名誉教授 (30186415)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード述語構造 / 主語のタイプ / 補語 / 語彙的類義形式 / 方言 / 言語接触 / ブラジル日系移民社会
研究実績の概要

標準語に比べて、日本語ならびに琉球語諸方言の述語構造における形態論的形式は豊富であり、一時的出来事か恒常的特性かを表し分ける時間的限定性や、話し手自身が直接目撃(経験)したことか間接的証拠に基づいて推定したことかという情報の根拠を示すエビデンシャリティを表し分ける形式が発達している。これに対して非述語成分である主語や補語における形態論的形式は単純である傾向が見られる。
本年度は国内の諸方言のみならず、南米(ブラジル、ボリビア)の日系移民社会ならびに沖縄系移民社会における日本語諸方言や琉球語諸方言とポルトガル語、スペイン語の接触状況を視野に入れて、形態論的形式との関係の中で、12回の合同研究会を開催して、文構造の変容プロセスの分析を行った。ブラジルおよびボリビアにおいて既に録音し文字化ができているデータを用いるとともに、新たにパラグアイで実施した談話録音(高知方言中心)の一部も参考にした。
文構造の分析においては、形態論的形式との関係のみならず、語彙的形式との関係も重要であることから、5回の合同研究会を開催し、特に標準語における時間的限定性に関する語彙的類義形式の分析を、主語のタイプとの関係を視野に入れた議論を行った。今後の課題としては、諸方言における語彙的形式を、主語のタイプとの関係のなかで分析していくことの重要性を確認した。
これについては、構文論的、形態論的、語彙論的観点から分析を進め、共著として出版予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 時間的限定性とノダ文2015

    • 著者名/発表者名
      工藤真由美
    • 雑誌名

      漢日語言対比研究論叢

      巻: 6輯 ページ: 1-19

  • [学会発表] 言語学はなんのためにあるか―形態論の建設―2016

    • 著者名/発表者名
      工藤真由美
    • 学会等名
      言語学研究会
    • 発表場所
      大東文化大学
    • 年月日
      2016-01-24
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語の多様性2015

    • 著者名/発表者名
      工藤真由美
    • 学会等名
      中日国際セミナー
    • 発表場所
      北京第二外国語大学
    • 年月日
      2015-10-20
    • 招待講演
  • [学会発表] 世界の諸言語のなかの日本語2015

    • 著者名/発表者名
      工藤真由美
    • 学会等名
      中日国際セミナー
    • 発表場所
      東北大学皇秦島分校
    • 年月日
      2015-10-19
    • 招待講演
  • [学会発表] 南米・日系移民社会における言語接触2015

    • 著者名/発表者名
      工藤真由美
    • 学会等名
      移民班研究会
    • 発表場所
      国際日本文化研究所
    • 年月日
      2015-06-14
  • [図書] 日系移民社会における言語接触のダイナミズム2015

    • 著者名/発表者名
      工藤眞由美・森幸一編著
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      大阪大学出版会

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公開日: 2017-01-06  

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