• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

宣命に使用される字音語についての再検討

研究課題

研究課題/領域番号 25370521
研究機関長崎大学

研究代表者

池田 幸恵  長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (10315228)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード宣命 / 五国史 / コーパス
研究実績の概要

本研究は、『続日本紀』から『日本三代実録』までの「五国史」に収められた宣命の読みを、字音語に注目して再検討することを目的としている。本研究は、現在提示されている宣命の読みは、和語で読むことを求める余り、本体字音語である語までも無理に訓で読んでいるのではないかという疑問から始まっており、研究の特徴として、従来、宣命の読みの根拠は、記紀・万葉や平安時代の古辞書の訓に求められてきたのに対し、「五国史」宣命や公卿日記に収められた宣命そのものに読みの根拠を求めるという点が挙げられる。
そのため、本年度は、日本後紀から日本文徳天皇実録に収められた宣命を対象に、字音読され得る語のリストアップを行った。今後、他の宣命において、同様の文字列がどのように表記されているのか、同様の意味の語がどのように使用されているのか、どのように読まれているのかなどを考察していく。
宣命のコーパス化については、本年度は、特に続日本紀の62詔を対象に、改訂版の宣命コーパスを試作した。11月には、当該コーパスを用い、続日本紀宣命に使用される語彙の品詞構成比率の特徴について口頭発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

『日本後紀』から『日本文徳天皇実録』に収録された宣命を対象とした、字音語と考え得る語のリストアップは終えている。
宣命の用例を検索するための「宣命コーパス」については、現在、続日本紀宣命について、試作品が完成している。今後は、人手による二次チェックを進め、その結果を修正した後に、インターネット上における公開を予定している。

今後の研究の推進方策

「五国史」宣命における字音語のリストアップについては、本年度も引き続き行い、本年度前半までに、「五国史」宣命全体の字音読みの可能性のある文字列のリストを完成させる。
宣命コーパスの改訂作業については、現在、続日本紀宣命の第二次チェックを行っているところである。二次チェックの結果をふまえ修正したデータについては、夏頃を目処にインターネット上で公開する予定である。なお、この宣命コーパスの改訂作業については、通時コーパスの一部として利用を図るために、国語研究所において通時コーパス研究を行っている研究者とも連絡を取り合い、整備を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

前年度3月末の出張で残金0円とする予定であったが、41,256円の残金が生じてしまった。

次年度使用額の使用計画

27年度の物品費の一部として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「五国史」宣命コーパスの設計とその利用2015

    • 著者名/発表者名
      池田 幸恵,須永哲矢
    • 雑誌名

      訓点語と訓点資料

      巻: 134輯 ページ: 左1~19

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 「五国史」宣命のコーパスの設計とその利用2014

    • 著者名/発表者名
      池田 幸恵,須永哲矢
    • 学会等名
      訓点語学会
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2014-11-02 – 2014-11-02

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi