この研究は、主として仏教界で使用される漢語のアクセントや漢語句を読誦する際の音調についての資料を提示し、それらを検索しやすいかたちにして公開することを目的とする。研究の成果として『補忘記』貞享版2冊・元禄版3冊それぞれの信頼できる影印を提示し、さらに声点付漢字索引を公開した。あわせて律家に伝わった漢語の読み方について記されている『南北相違集』版本1冊も、その影印と解説を公にした。このほか『補忘記』両版本を比較し、また同書に記載された漢語句の読誦音調についての規則を検証し、その学史的意義を確認した。
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