研究課題/領域番号 |
25370529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
山岡 政紀 創価大学, 文学部, 教授 (80220234)
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研究分担者 |
小野 正樹 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (10302340)
牧原 功 群馬大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20332562)
斉藤 幸一 創価大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50649845)
大塚 望 創価大学, 文学部, 准教授 (80334639)
山下 由美子 創価大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90635294)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 語用論 / 配慮表現 / ポライトネス / 発話機能 / データベース |
研究概要 |
2013年度前半は研究活動のグランドデザインの形成と共有に充てた。まず7月までに研究代表者と研究分担者の討議のためのツールとしてメーリング・リストの作成やdropboxを使用してのファイル共有環境の整備を行った。 8月には山中湖畔において合宿研究会を行い研究代表者と研究分担者が一堂に会して方向性と方法論の確認を行った。具体的にはデータベースのフィールド(項目)とその記載方法、共同研究者間の役割分担などを討議した。 同年度後半には合宿での討議に引き続き、細部の確定、研究環境の整備を進めた。具体的にはデータベース形式の整備、入力環境の整備と共に、調査に使用するコーパスの選定、確保、購入、共有を進めた。さらに、研究代表者と研究分担者は各自において①コーパスから配慮表現を抽出する作業、②抽出された各配慮表現に関する諸情報を記述する作業を開始した。 2月には筑波大学にて本研究課題主催による「第4回日本語コミュニケーション研究会」を開催し、ここまでの作業で抽出した配慮表現の個々の分析について報告を行った。この研究会には中国在住の研究協力者・李奇楠北京大学副教授も招聘した。 3月には日本語実用言語学国際会議(ICPLJ8、於.国立国語研究所)にて「現代日本語配慮表現の記述方法の確立に向けて」と題して口頭発表を行い、宇佐美まゆみ氏、森篤嗣氏らから今後の方針に関わる建設的なコメントを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は研究分担者5名、研究協力者3名と大所帯のため、研究の推進には研究者間の連携が不可欠であるが、その点では、インターネットの利点を活かしてネット上の討議、ファイル共有の環境が整備できたことは研究推進の基盤をなすものである。 その上でメンバーが一堂に会する場を三度(8月合宿、2月研究会、3月国際学会)設けたことも、直接の討議による問題点の解決や研究者同士の意識啓発に供するところが大きかった。特に3月のICPLJで大聴衆の前で発表したことにより、多くの同学の研究者に本研究課題の存在を周知する効果があり、その後も関連の研究者より多くのコメントを受けるところとなった。 一方、課題点としてはコーパスの種類を多く入手したものの、逆に大量であるがゆえにどう使い分けるのか、どのように用例を絞ってデータベースに搭載するのかなどが新たに課題として浮上している。この点は本年度以降の検討に待つところである。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り、本研究課題は概ね計画通りに進んではいるが、そもそも当初の計画が膨大な資料を研究対象としたものであることを考慮すると、研究のピッチを上げなければならないと考えている。 また、達成度の項目でも課題点として挙げたが、コーパスから用例を抽出する基準や統一的な考え方の策定ということが不可欠である。これは具体的な作業を進めながら、その都度メール上で議論するなど緊密に連携しながら方法論の統一を図っていくほかないと考えている。今年度の作業を通して、具体的に個々の配慮表現に関する研究成果を学会発表、あるいは学会誌への投稿などへと発展させていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者、および研究分担者のうちの牧原、斉藤、山下はほぼ所要額通りの使用となったが、研究分担者の小野、大塚の支出額が想定より低くとどまった。理由としては、有料コーパスの購入のために物品費を確保してあったのに対し、適正なコーパスの選定が遅れて未購入となったことや、両者の学内業務と日程が重なって本研究課題に関連する出張ができず、メール上での協議にとどまったことなど、複数の要因が関係している。 有料コーパスの購入が遅れた者はその分を今年度に使用して購入するよう、計画し推進しているところである。また、研究会や打ち合わせの日程調整も進めて研究分担者が十分に参加できるように努めたい。
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