研究課題/領域番号 |
25370529
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
山岡 政紀 創価大学, 文学部, 教授 (80220234)
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研究分担者 |
小野 正樹 筑波大学, 人文社会系, 教授 (10302340)
牧原 功 群馬大学, 国際教育・研究センター, 准教授 (20332562)
斉藤 幸一 広島修道大学, 学習支援センター, 学習アドバイザー (50649845)
大塚 望 創価大学, 文学部, 教授 (80334639)
山下 由美子 創価大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90635294)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 配慮表現 / ポライトネス / 語用論 / 発話機能 / 慣習化 / 文脈依存 / 緩和表現 / 共感表現 |
研究実績の概要 |
研究計画に沿って日本語配慮表現データベースの構築作業を進めた。その間、8本の論文を執筆、16件の学会口頭発表を行った。また、科研費報告書を兼ねた『日本語コミュニケーション研究論集』を4号に渡り刊行した。特に最終年度の2016年度には研究会を2度開催し(10月29日、3月1日)、『日本語コミュニケーション研究論集』第6号を3月20日に刊行した。これらの活動を通じて問題の所在を広く研究者諸氏に周知し、意見集約することができた。その結果、利益表現16、負担表現22、緩和表現46、賞賛表現10、謙遜表現11、賛同表現9、共感表現11の合計125の語彙・表現を収録した。 語彙選定の過程で配慮表現の定義について関係者より問題提起がなされたため、山岡・牧原・小野(2010)において行った定義に加筆し、「対人的コミュニケーションにおいて、相手との対人関係をなるべく良好に保つことに配慮して用いられることが、一定程度以上に慣習化された言語表現」とすることを表明した。これは、文脈依存的なポライトネス現象が文脈ごと一般化していく過程を慣習化現象の一種と捉え、定義に盛り込んだものである。 また、分類ごとにデータを分けていたため、多くの語彙を収集する過程で必然的に分類の整備を行うこととなった。結論的には、形式分類として「副詞、副詞句、形容詞・形容詞句、接尾語・補助動詞、文末表現、慣用文」の6種、機能分類として「利益表現、負担表現、緩和表現、賞賛表現、謙遜表現、賛同表現、共感表現」の7種の分類に落ち着いている。リストアップした配慮表現のすべてにおいて形式分類、機能分類のそれぞれの分類割り当てを行った。このように日本語配慮表現データベースの構築における定義や方法論の整理という質的成果と表現や用例のデータベース収録という量的成果の双方において初期の目標を達成したと考えている。
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