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2015 年度 実績報告書

バラエティを考慮した使用実態調査に基づく日本語のモダリティ記述発展のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370534
研究機関神戸学院大学

研究代表者

野田 春美  神戸学院大学, 人文学部, 教授 (60237849)

研究分担者 高梨 信乃  神戸大学, 留学生センター, 教授 (80263185)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードモダリティ / 類義表現 / 記述文法 / ジャンル
研究実績の概要

本研究では,書き言葉均衡コーパスを利用して,モダリティ形式の使用実態調査を行ってきた。『現代日本語文法』(くろしお出版)第8部「モダリティ」の記述のうち,内省による判断に疑問が残った項目を拾い上げ,調査項目としている。調査結果については例文を観察しながらの議論を行い,記述の妥当性の検証を試みてきた。今年度は2014年度までに行った調査をふまえ,残る項目の調査や,調査結果についての議論を進めた。
研究の結果を,220ページの報告書冊子としてまとめた。第2章の表現類型のモダリティでは,「です?」,「ないものか」,「だろうか」「っけ」,「しようっと」,「つもりはない」「つもりではない」「ないつもりだ」,「気だ」,「まい」,「この[名詞]!」,「[名詞]の~さ!」「~こと!」など13項目,第3章の評価のモダリティでは,「がいい」,「方がましだ」,「べし」,「てもかまわない」,「てはだめだ」の5項目,第4章の認識のモダリティでは,「かもしれないです」,「かもしれぬ」「かしれない」,「かもわからない」,「ようだ」の「よう。」,「(し)そうではない」,「(する)そうだ」の「そう。」の6項目,第5章の説明のモダリティでは,「のだった」,「のだから」,「わけなのだ」,「わけだった」,「わけにはいかない」,「はずがない」「わけがない」,「ものですか」,「たいものだ」など11項目,第6章の伝達のモダリティでは,「わ」,「かね」,「しような」,「ですな(あ)」「ますな(あ)」,「とも」,「もの」(「もん」)の6項目を対象とした。
調査の結果,母語話者としての内省ではあまり用いられていると感じられないモダリティ形式が,特定のジャンルに集中して出現するケースなど,新たな発見があった。モダリティ形式に限らず,ジャンルによる出現の違いを観察することの重要性が明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「つもり(だ)」について―意志表現の指導の観点から―2016

    • 著者名/発表者名
      高梨信乃
    • 雑誌名

      神戸大学留学生センター紀要

      巻: 22 ページ: 1-16

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 書きことばにおける「のだから」の使用実態―コーパス調査に基づいて―2015

    • 著者名/発表者名
      范一楠・野田春美
    • 学会等名
      キナン大学「グローバル化時代に求められる日本語教育・日本学研究」国際シンポジウム
    • 発表場所
      キナン大学(中国)
    • 年月日
      2015-12-26
    • 国際学会
  • [学会発表] スピーチレベルシフトと終助詞の使用―大学生会話をデータとして―2015

    • 著者名/発表者名
      カ ロ
    • 学会等名
      キナン大学「グローバル化時代に求められる日本語教育・日本学研究」国際シンポジウム
    • 発表場所
      キナン大学(中国)
    • 年月日
      2015-12-26
    • 国際学会
  • [学会発表] BCCWJにおける「わけだ」の一考察2015

    • 著者名/発表者名
      陳 秀茵
    • 学会等名
      キナン大学「グローバル化時代に求められる日本語教育・日本学研究」国際シンポジウム
    • 発表場所
      キナン大学(中国)
    • 年月日
      2015-12-26
    • 国際学会
  • [学会発表] 「しようと思う」と「つもりだ」―書き言葉における使用を中心に―2015

    • 著者名/発表者名
      高梨信乃
    • 学会等名
      日本語文法学会第16回大会
    • 発表場所
      学習院女子大学
    • 年月日
      2015-11-15
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語教育における意志表現の扱いをめぐって2015

    • 著者名/発表者名
      高梨信乃
    • 学会等名
      香港中文大学シンポジウム「アジアにおける日本語学と日本語教育のフロンティア」
    • 発表場所
      香港中文大学
    • 年月日
      2015-05-09
    • 招待講演
  • [図書] 「「話しことば的」な文章に見られる話しことばとは異なる表現―BCCWJにおけるブログの特徴―」庵功雄・佐藤琢三・中俣尚己(編)『日本語研究のフロンティア』2016

    • 著者名/発表者名
      野田春美
    • 総ページ数
      340(執筆183-204)
    • 出版者
      くろしお出版
  • [図書] 日本語のモダリティのコーパス調査報告 ―『現代日本語文法』の記述の検証―2016

    • 著者名/発表者名
      野田春美(編)
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      私家版(研究成果報告書)

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公開日: 2017-01-06  

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