研究課題/領域番号 |
25370536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡女学院大学 |
研究代表者 |
二階堂 整 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (60221470)
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研究分担者 |
松田 謙次郎 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (40263636)
川瀬 卓 弘前大学, 人文学部, 講師 (80634724)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 方言 / 会議録 / 地方議会 / 社会言語学 |
研究概要 |
2013年度は準備調査の位置づけであった。 そのため、今後の研究の方法を定めるための研究打ち合わせ会議を実施し、各研究の課題や研究者ごとの対象・分担分野の確認などを行った。 その後、各研究者が、その担当分野・担当地域ごとにデータ収集に努めた。現在まで、今年度対象予定の議会の資料収集は完了した。 各研究者は担当地域議会の分析に着手し、いくつかの成果をあげつつある。その中で、方言を対象とした研究において、各地域の事情や状況が異なることが明らかになりつつある。これは、その土地の方言の体系にかかわる問題と、その土地の話者の方言に対する意識にかかわる問題の2つに分かれると考えている。 例えば、方言体系の中で、アクセントや音調などは話者が気が付きにくいため、議会会議録や特に録画において、本人は共通語のつもりで話そうとしている姿勢がみられるが、アクセントなどは、その土地の方言のままであることがよくみられる。ややくだけた場面(各委員会でのやり取りの場面など)では、アクセントのみならず、文法も方言になることを考え合わせると、話者なりに共通語と方言を切り替えようとしていることがわかる。また、方言に対する話者の意識がプラスの地域では、方言が議会答弁でも、よく出てくる場合があるが、話者の方言に対す意識がマイナスの地域では、(プラスの地域に比べると)方言がでにくく、本会議であろうと、各委員会であろうと、方言がでにくく、共通語使用に努めようとしている姿勢が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究打ち合わせ会議において、今後の研究の方向・対象議会・分担分野を決定することができた。 またデータ収集の面では、ほぼ、予定通り、担当地域・担当議会のデータ収集を終えることができ、それぞれの担当者ごとに、地方議会会議録の分析に取り掛かれることができた。 また、その作業過程の中で、それぞれの研究の進捗状況の情報交換を実施し、研究の方向の修正なども可能になったことにより、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データの詳細な分析や担当地域ごとに、必要に応じて、比較対象とする議会の拡大を考えている。 また、各地の地方議会会議録の詳細な分析を実施する予定である。その際、各地の準備調査の結果を踏まえ、いくつかの問題に焦点を絞り、共通した枠組みと方法で、問題の解明の深化を図る予定である。 さらに分担者を増やすことで、専門性を深め、さらに他研究分野との連携を図る予定である。これにより、分析のための基礎となるデータベースが強化できることが見込まれる。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度、研究打ち合わせが順調に進み、再度の出張などが必要なくなった。 また、資料収集についても順調に進んだため、その経費も予定以下でおさまったことによる。 2014年度は本調査の年度に当たるため、研究打ち合わせの出張回数を増やす予定である。 さらに2014年度後半には、学会で発表し、研究の内容を伝えたいと考えているが、予定学会が遠方地のため、旅費が当初より多くなる可能性がある。 また、2014年度より分担者をふやしたので、その分の経費にあてる予定である。
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