研究課題/領域番号 |
25370541
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
奥野 忠徳 弘前大学, 教育学部, 教授 (80125517)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 前置詞 / 認知意味論 / 意味 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、(1)資料収集および資料整理、(2)場所を表すatの意味分析、(3)その他の多くの前置詞の予備的分析、(4)withの分析、(5)前置詞に関する他の言語との比較をする計画であった。(1)については、着々と進行している。(2)については、その作業はすでに終了しており、それを英文にまとめて海外雑誌に投稿する予定である。(3)についても、over, of, under, below, above, fromの分析は終了している。overについては、多くの学者がさまざまな分析を提案しているが、私の研究は、どの学者よりも多くの種類の資料を駆使して、はるかに説得力のある分析が可能になったと考えている。これも英文で海外の専門雑誌に投稿するつもりである。(4)についても終了している。また、今年度は、onも詳細に分析し、それを論文として上梓した。昨年度からさまざまな前置詞を膨大な資料を駆使して精密に分析している過程で、英語の前置詞には異なった2種類が存在することが明らかになってきた。この種類分けは、今まで誰も気づかなかったものであり、もしそれが正しい方向を向いているとすれば、この研究は、今まで想像もしていなかった精度の高い分析を可能にし、英語の前置詞の意味分析に多大な貢献をすることになるものと期待される。(5)については、まだ大きな進展はないが、一部、英語とドイツ語の前置詞の比較によって、今まで説明が不可能であった現象が解明できる可能性があることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は、平成26年度は、above, below, under, fromについては、「予備分析をする」予定であったが、これらの前置詞の完全な意味分析がすでに達成されている。また、当初はwithの分析を平成26年度内に達成する予定であったが、早い時期にそれも完了している。また、ofの分析は当初は平成27年度に行う予定であったが、これもほぼ完了している。toとforの分析の精密化も平成27年度に行う予定であったが、これも完了している。以上の理由により、研究は大幅に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
進捗が早いために、より多くの前置詞を精密に分析できることになった。したがって、平成27年度には、さらに多くの前置詞の解明をする予定である。それと並行して、多言語(ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語)の前置詞との意味的比較もできるだけ行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通りの支出であるが、図書の購入を少し控えたことにより、少々残余金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
昨今は、認知意味論の研究書が多く出版されてきているので、それらの購入に充てたい。
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