本研究は、文法による統語的な圧力に対して、話し手・聞き手・場面という語用論的要因からの要請が焦点化構文、その他の構文にどのように関わっているか、いわば文法と談話の接点の姿を明らかにした。 本研究から得られた成果は、「取り消し可能性」を巡り、文法と談話は相互に依存関係にあることが明らかとなり、これまで談話とは無関係であると考えられていた他の統語構造についても、談話となんらかの接点を持つと想定できる。これにより自然言語の解明とコミュニケーションの成立場面での緻密でありながら、柔軟な言語運用研究に対して、新しい研究領域を切り開くという意味で、今後の言語研究の進展に大いに貢献すると思われる。
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