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2015 年度 実績報告書

英語獲得初期における句構造:極小主義理論に基づく実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370550
研究機関三重大学

研究代表者

杉崎 鉱司  三重大学, 教養教育機構, 教授 (60362331)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード母語獲得 / 生成文法 / 極小主義 / 構造依存性
研究実績の概要

平成25年度・平成26年度は、Chomsky (2012a,b)で展開されているyes/no疑問文の極小主義的統語分析を基に、英語を母語とする幼児の自然発話コーパスの分析を実施し、幼児が発話するyes/no疑問文が観察しうる最初期から構造依存性において成人の疑問文と同質である点を明らかにすることに取り組んだ。具体的には、幼児の発話において、"Can young children write stories?"のように、助動詞が前置されている文が観察される一方で、"Children young can write stories?"のように、主語に含まれる名詞が前置された誤りは観察されないことを明らかにした。本年度は、その成果を英文による論文としてまとめ、Koji Fujita & Cedric Boeckx(編) 『Advances in Biolinguistics: The Human Language Faculty and Its Biological Basis』 (Routledge) という論文集の一つの章として出版した。
また、母語知識が示す「構造依存性」に関する研究を、このような英語のyes/no疑問文から日本語における数量詞遊離の現象(例:子どもが3人リンゴを食べた。)へと拡大し、日本語を母語とする幼児が数量詞遊離に関する構造的制約に関して成人と同質の知識を持つことを心理実験によって明らかにした。具体的には、「かめさんが3匹乗っかっている」という文では数量詞である「3匹」は「かめさん」を修飾するのに対し、「かめさんに3匹乗っかっている」という文では、「3匹」は「かめさん」を修飾できないという知識を日本語を母語とする3~5歳児がすでに持つことを明らかにし、その成果を英文による論文として専門誌(Language Acquisition)において出版した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Quantifier float and structure dependence in child Japanese2015

    • 著者名/発表者名
      Koji Sugisaki
    • 雑誌名

      Language Acquisition

      巻: 23 ページ: 75-88

    • DOI

      10489223.2015.1047094

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 幼児英語に見られる助動詞doの誤り:素性継承に基づく分析2015

    • 著者名/発表者名
      杉崎 鉱司
    • 学会等名
      コーパスからわかる言語の可変性と普遍性
    • 発表場所
      東北大学 (宮城県・仙台市)
    • 年月日
      2015-09-08 – 2015-09-09
    • 招待講演
  • [図書] Advances in Biolinguistics: The Human Language Faculty and Its Biological Basis2016

    • 著者名/発表者名
      Koji Fujita, Cedric Boeckx, Antonio Benitez-Burraco, Gonzalo Castillo, Samuel Epstein, Naoki Fukui, Michio Hosaka, Masayuki Ike-uchi, Hironobu Kasai, Takaomi Kato, Evelina Leivada, Pedro Tiago Martins, Hiroki Narita, Kentaro Nakatani, Miki Obata, Hajime Ono, Koji Sugisaki, Masanobu Ueda, Noriaki Yusa, Mihoko Zushi
    • 総ページ数
      286 (p.69-82)
    • 出版者
      Routledge

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公開日: 2017-01-06  

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