研究実績の概要 |
井上 (2014a): コーパスを活用した語彙研究と辞書編集の特徴や制約にふれながら,主格補語をとるfallについて,補語の位置に生起する形容詞や名詞について分析する様子を示したうえで,共起する副詞にも注目しながら,主格補語に現れる形容詞や名詞から導き出したfallの性質と矛盾がないことを示した。また,共起する副詞の分析により,他の同類の主格補語をとる動詞との比較分析の可能性も示した。※厳密には2014年度ではないが,前回の報告書に洩れていたのでここに示す:井上永幸(2014a)「コーパスを活用した語彙研究と辞書編集―主格補語を従えるfall―」北海道大学メディア・コミュニケーション研究院主催講演会〔北海道大学メディア・コミュニケーション研究院;2014年2月18日〕。 井上 (2014b): 日本で初めて全面的にコーパスを活用して編集された『ウィズダム英和辞典』の編集過程を振り返りながら,規範主義と記述主義について非文と((非標準))の問題,他と差別化できる新記述の設定についてはThank you so much.の男女使用頻度の差について最新の分析結果を示した。 井上 (2014c): コーパスの分析結果を活用することで,効率的な語彙指導が行えることを,コロケーション〔動詞needの高頻度構文であるneed NP, need to do; turn on the water, wash one's hands, turn off the water, dry one's hands; 部屋に入る (get into [go into, come into, eneter] the room), 風呂に入る (take [have] a bath), 保険に入る (buy insurance), etc.〕,文法・語法〔from A to [until, till, up to, through] B; in [to, out of, into] bed; thank you so much, etc.〕,文化〔breakfast in bed〕,用例コーパス〔ウェブ上での辞書検索サイト「Dual WISDOM 英和辞典」「Dual WISDOM和英辞典」の機能のひとつとして,辞書中の用例+3500の用例をコーパスふうに検索可能にしたもの〕などの観点から示した。
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