現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英語圏と日本語圏において「家族」がいかに「カテゴリー化」されているかを調べる、という目的をかなり果たした。 英語圏については、WordBanksOnlineコーパスのイギリス英語のテキストから、また日本語圏においては『現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)』から、英語の"true" "real" および日本語の「本当の」という語彙と「家族」構成員を表す語彙の組み合わせの例を全て収集し分析した。「家族」構成員を表す語彙は、英語ではfamily, mother, father, daughter, son, child, 日本語では「家族」「母親」「父親」「娘」「息子」「子供」である。 上の分析により、英語圏と日本語圏それぞれにおける家族構成員のカテゴリー形成の過程と、カテゴリー形成にとって重要な家族構成員の性質をかなり明らかにすることができた。 「研究の目的」の一つとしていた人間一般に共通する普遍的「カテゴリー化」のパターンの解明に近づく事ができたし、英語圏と日本語圏の現代社会における「他者のカテゴリー化」の特徴を解明するという「研究の目的」に対しても、まだ充分というにはほど遠いが、「家族」という身近な他者のカテゴリー化を観察することで研究を進める事はできた。 研究の成果については1論文と3研究発表(国外1、国内2)でも発信することができた。
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