研究実績の概要 |
英語圏と日本語圏における「家族」にまつわるカテゴリー化についての研究は今年度も順調に進める事ができた。 ただし、研究進行の順序については変更する事になった。交付申請書における「研究実施計画」では今年度日本語圏を中心に研究を進める予定だったが、前年度に日本語圏についても研究を進める事ができたため、今年度は再び英語圏を中心に研究を進める事になった。これにより以下の2本の論文をまとめることができた。 1.「FATHERカテゴリーの形成過程に見る英語圏における父親像」, ハイペリオン, Vol.60, 3~12頁, 2014年. 2.「イギリス英語圏における家族像ーtrueとrealで探るFAMILYカテゴリーの成立条件ー」, 徳島大学総合科学部言語文化研究, Vol.22, 127~147頁, 2014年. まとめた結果は英語圏のものだけにとどまったが、常に日本語の場合との比較を念頭に置いているため、次年度は日本語圏についても、また二つの言語圏における「家族」に関するカテゴリーの比較についても、研究を進める事ができる見通しである。 今年度の研究から、カテゴリー化一般についての考察を深める事ができると共に、日本語圏における「父親」や「家族」とは異なる、英語圏におけるFATHER, FAMILYカテゴリーの特徴が明らかになった。FATHER, FAMILYという二つのカテゴリーに人を組み入れる基準となる条件には日本語圏に見られない性質のものもあり、またその条件も状況により取捨選択され、これに伴ってカテゴリー自体も変化する現象が見られた。
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