主要部内在型関係節構文,ト書き連鎖,「ウチニとアイダニ」および"where"節に対して,構文的位置づけとして2つ(あるいはそれ以上)の立場に分かれて議論が展開されているが,本論の立場から言えば,いずれかに偏った面からのもので,この種の構文のもつ両義性を十分に捉えきれていない.本論では,主観性と客観性を最初から分離せず,中間的で相補的な性質を出発点にするとともに,「現在」のもつ両義性(点であり,広がりのある領域)にこの種の構文のもつ両義性の本質を見る,この種の構文のもつ意味には,「生き生きとした現在」に見られるアクチュアリティ(リアリティに対する)の側面があり,これこそ「主体性」に他ならない.
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