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2013 年度 実施状況報告書

近代英語における形態・統語変化―否定辞縮約形とその関連構文の発達を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 25370557
研究種目

基盤研究(C)

研究機関愛知県立大学

研究代表者

中村 不二夫  愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (20149496)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード英語史 / 近代英語 / 助動詞 / 否定辞縮約 / 形態変化 / 統語変化
研究概要

①「第5回後期近代英語に関する国際会議」(ベルガモ大学[イタリア])に於いて、“A History of the Third Person Singular Present _don’t_: Transition from _he don’t know_ to _he doesn’t know_”と題する口頭発表を行った。序論部分で、129冊の日記・書簡資料、インターネットを通して欧米の大学から集めた260の電子コーパス等から収集した94,252例を根拠に、否定辞縮約形の確立期は1850年より少し前の時期である点を示した。本論部分では、He doesn’t knowが一般化する19世紀半ばまでは、He don’t knowの語法が改まった英語においてさえ使われた点、前者の確立後、後者は非標準の口語語法として使われ続けている点を示した。否定辞縮約形に関する大規模研究はなく、本研究課題は英語史の新事実の発見と修正に多大な貢献をしたとの賛辞を受けた。(なお、本発表内容は、ヨーロッパの出版社から出版される研究書の一部として受理されたが、ゲラが出ていないため本報告書第13項目の一覧には載せなかった。)② 本研究課題である否定辞縮約形とその関連構文の用例調査を、①の学会直後の1週間を利用し、ヘルシンキ大学VARIENG研究所で行った。現地でしか使えない電子コーパスも使わせていただき、極めて有意義だった。この成果の一部は、本年夏のヨーロッパ言語学会での発表に含められている。③前研究課題の下で行っていた研究論文“Affirmative Imperative _Do_ in Modern English: With Special Reference to Its Accelerators and Syntactic Patterns”が、審査に通り、書籍に掲載されることとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本務校の通常の教育業務、(2013年9月30日まで)会員250名を擁する近代英語協会の事務局長として協会を管理統率する仕事の傍ら、国際会議口頭発表1件、著書(分担執筆)2点(1点は印刷中、1点は編者であるベルガモ大学教授が在欧出版社に打診中)を執筆することができたため。

今後の研究の推進方策

①<通年> 否定辞縮約形とその関連構文の用例を、着実に収集し続ける。②<9月>「研究計画調書」では本年8月に第18回国際英語史会議 (ルーヴェン・カトリック大学 [ベルギー)での発表を予定していたが、異例なことに第18回大会は(本務校の前期試験週間直前の)7月中旬に開催されることとなったため断念し、これに変えて、9月に開催される第47回ヨーロッパ言語学会(於ポズナニ大学[ポーランド])に発表応募し、口頭発表許可通知が届いた。129冊の日記・書簡資料、Helsinki, CEECS, Newdigate Newsletters, Lampeter, ARCHER, LOB, FLOB, ACE, Kolhapurの各コーパスから収集した用例に基づき、詩を除き1700頃に消滅したとされるI not say型否定平叙文がいかに使われ続けたかを発表し、本研究課題がいかに意義深いものであるかを示してきたい。また、学会の前か後にTrier大学(ドイツ)のS. Hoffmann教授を訪れ、否定辞縮約形の代表的関連構文である付加疑問文の発達について研究討議を行いたい。③<10月> 研究機関の雑誌に、動詞の-ing形に対する否定辞notの位置に関して、昨年夏にヘルシンキ大学で収集したARCHERコーパスの用例の分析結果を執筆する。④<5, 7, 11月> 日本の学会にも参加し、最新の学説を吸収したい。⑤<11月> 第48回ヨーロッパ言語学会(開催地未定)の口頭発表原稿と発表資料の作成を開始する(完成は翌年7月末)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Negative Declarative _I not say_ in Modern English2014

    • 著者名/発表者名
      Fujio Nakamura
    • 学会等名
      The 47th Societas Linguistica Europaea [第47回ヨーロッパ言語学会]
    • 発表場所
      ポズナニ大学(ポーランド)
    • 年月日
      20140911-20140914
  • [学会発表] “A History of the Third Person Singular Present _don’t_: Transition from _he don’t know_ to _he doesn’t know_”

    • 著者名/発表者名
      Fujio Nakamura
    • 学会等名
      The Fifth International Conference on Late Modern English [第5回後期近代英語に関する国際会議]
    • 発表場所
      ベルガモ大学(イタリア)
  • [図書] _Studies in Modern English: The Thirtieth Anniversary Publication of the Modern English Association_ (Fujio Nakamura担当箇所 “Affirmative Imperative _Do_ in Modern English: With Special Reference to Its Accelerators and Syntactic Patterns”、pp. 185-201) [査読あり]2014

    • 著者名/発表者名
      Ken Nakagawa, editor in chief
    • 総ページ数
      464
    • 出版者
      英宝社

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公開日: 2015-05-28  

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