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2014 年度 実施状況報告書

歴史的スピーチアクトの歴史語用論的研究ーーコーパス横断的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 25370562
研究機関法政大学

研究代表者

椎名 美智  法政大学, 文学部, 教授 (20153405)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード歴史語用論 / コーパス / スピーチアクト / 呼びかけ語
研究実績の概要

以下の通り、国内の言語関連学会での発表と論文執筆により、他の研究者からのフィードバックを得ることができた。
(1)『歴史語用論の世界:文法化・待遇表現・発話行為』ひつじ書房。これまで歴史語用論研究会での成果発表と位置付けられる。英語学だけでなく、日本語学、ドイツ語学という三言語における歴史語用論の論考を集めて編集、刊行した。テーマは「文法化と待遇表現」、「ひとを取り調べる」、「ひとを説得する」、「ひとに伝える」という四つで、理論編と過去のスピーチアクトに焦点を当てたケース・スタディを集めた。(2)「初期近代英語期の法廷言語の特徴:「取り調べ」における「呼びかけ語」の使用と機能」、『歴史語用論の世界』ひつじ書房、77-104。「呼びかけ語」という一つの言語形式からその語用論的機能を追った「形式ー機能の対応づけ」の事例研究。独自のアノテーションを付したコーパスをデータに、「取り調べる」というスピーチアクトに関わる呼びかけ語を量的・質的に分析した論考である。(3)Jonathan Culpeper (ed.)Historical Sociopragmatics, Amsterdam: John Benjamins (2011)の書評を『近代英語研究』36, 79-86.歴史語用論の方法論と事例研究を書評して、歴史語用論の方法論の問題点と発展の方向を紹介した。
研究発表(4)「過去のコミュニケーションを復元する:書き言葉と話し言葉をめぐる三都物語」法政大学にて開催された2014年度日本言語学会年次大会でのシンポジウムの論者4人の一人として、歴史語用論についての概説し、自分の研究の紹介をした。(5)「コーパスを使った歴史社会語用論研究の試み」熊本学園大学にて開催された2014年度英語コーパス学会年次大会において、コーパスを使用した歴史語用論研究の方法と成果を発表し、共同研究を呼びかけた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国内の言語関連学会で、本研究のテーマに絡んだシンポジウムや学会発表を何度か行う機会があり、研究をまとめ、発表し、フィードバックを受けることができた。また、関連したテーマでの論文執筆依頼を受けたので、集中して研究する機会ができた。これまでの研究については、共編著書に少しまとめて書くこともできた。

今後の研究の推進方策

現在、分析の途中にある過去のデータにおけるスピーチアクトについての研究をまとめて、学会発表をし、他の研究者からのフィードバックを得て、研究の充実をはかりたい。また、歴史語用論研究の方法論についての論文執筆を依頼されているので、国内外で発表された研究論文を、方法論の視点から再読し、考察を深めたうえで、論文執筆をしたい。
さらには、いまだ発展途上にある歴史語用論という研究分野の国内における普及をめざして、本テーマに関連する研究を継続しつつ、これまでの研究を研究論文集の形で発表できるように、論文執筆にも集中したい。また、他の研究者との共同研究を模索して、自分の研究分野をより発展するヒントをつかみたい。

次年度使用額が生じた理由

イギリスへの海外の学会出張を計画していたが、授業期間中であったため、休講措置と補講措置が間に合わず、出張を取りやめせざるをえなかった。そのため、海外出張費に計上していた予算が執行できなかった。

次年度使用額の使用計画

授業期間における海外での学会出張については、休講措置、補講措置を取った上で、予定した学会に出席できるように、学会開催のかなり前から出張のための準備をするように心がけたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Review of Jonathan Culpeper (ed.) Historical Sociopragmatics2014

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 雑誌名

      近代英語協会

      巻: 36 ページ: 79-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「話された書き言葉」と「書かれた話し言葉」:近代英語期ロンドンの言語意識2014

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 雑誌名

      日本言語学会・プロシーディング

      巻: 1 ページ: 16-21

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] コーパスを使った歴史社会語用論研究の試み2014

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 学会等名
      英語コーパス学会
    • 発表場所
      熊本学園大学(熊本県・熊本市)
    • 年月日
      2014-10-04 – 2014-10-05
  • [学会発表] ガールズトークにおけるポライトネス戦略:成功の秘訣2014

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 学会等名
      東アジア日本語教育・日本文化研究学会
    • 発表場所
      台湾崑山科技大学(台湾・台南市)
    • 年月日
      2014-08-23
    • 招待講演
  • [学会発表] 「話された書き言葉」と「書かれた話し言葉」:近代英語期ロンドンの言語意識2014

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 学会等名
      日本言語学会
    • 発表場所
      法政大学(東京都・千代田区)
    • 年月日
      2014-06-07 – 2014-06-08
    • 招待講演
  • [図書] 歴史語用論の世界――文法化・待遇表現・発話行為2014

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 総ページ数
      297
    • 出版者
      ひつじ書房
  • [図書] 初期近代英語期の法廷言語の特徴:「取り調べ」における「呼びかけ語」の使用と機能2014

    • 著者名/発表者名
      椎名美智
    • 総ページ数
      297 (77-104)
    • 出版者
      ひつじ書房

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公開日: 2016-05-27  

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