研究課題/領域番号 |
25370565
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
長友 俊一郎 関西外国語大学, 英語国際, 准教授 (50594131)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モダリティ / 英語法助動詞 / 英語条件文 / 学習英文法 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、話し手が心的態度を表明する場合において、その表明の引き金となる条件(すなわち、「動機づけ」(澤田 2006, 長友 2009)を語用論的・認知言語学的に明らかにする中で、条件文中で用いられる法助動詞に関与する、先行文脈、前提、捉え方、解釈、推論、認知などの要素を明らかにした。その分析結果を基盤として、学習英文法的観点から貢献し得る条件文の分類(すなわち、「事実を述べる条件文」、「条件節の内容を想定する条件文」、「潜在的に可能な現実と非現実を述べる条件文」)とそれらの特徴を提出した。本研究では、学習英文法を、岡田(2001, 2012)や大津(編)(2012)の線に沿って、(i) 科学文法(生成文法、認知言語学、機能文法、語用論)などの成果を積極的に取り入れ、今までばらばらに扱われてきた事実を統一的に説明する、(ii) 形を公式的・機械的にひたすら暗記させるのではなく、意味や認知メカニズムから説明することにより、学習者を納得させる、(iii) 英語学習者に英語の仕組みの骨格を提示し、英語学習が効率よく、かつ、効果的に進むのを支援する、文法としている。 平成26年度の研究により、英語法助動詞と条件性、現実性、仮想性などとの関わりが語用論的・認知言語学的に明らかなった。また、言語の運用者である話し手や聞き手の認知や捉え方に基づいた学習英文法の枠組みに沿った記述を提出することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
『日本英語メディア英語学会』、『国際モダリティワークショップ』、『言語フォーラム』、『FDフォーラム』、『IRI言語文化フォーラム』での口頭発表や『学研都市語用論研究論集』への投稿を通して研究の目的の達成度が高まった。
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今後の研究の推進方策 |
法助動詞と条件性との関連の包括的な本質的理解に向け、英語条件文に関与する主節と従属節との接続のあり方の視点も取り入れた分析を行う。今後も26年度同様、複数回研究発表を行い、研究論文の執筆を行うことにより、さらなる研究の充実を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
遠方で行われた学会への参加がかなわなかったため、旅費の支出額が少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の物品費、もしくは旅費として使用する。
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