1.前年度に続き、文語文読解e-learning教材のシラバス開発を行ない、5つの素材からなる試作版を作成した。前年度に作成した3つの素材に加えて、「二十日の夜の月」(『土佐日記』)、「翻訳苦心談」(『蘭学事始』)を取り入れ、本文、注釈、文法、問題、語釈、現代日本語訳、問題解答等からなる素材ページを作成した。また、用言一覧、助詞・助動詞一覧、語彙集、コラム集などの参照ページを拡充し、イラストを付けた(平成29年4月~9月)。 2.文語文読解教育のシラバス開発のため、前年度に続き、古典入門の授業を開講した(東北大学「外国人留学生等特別課程」における「上級日本文化演習(古典入門)」、平成28年4月~7月)。受講者に試作版教材を試用してもらい、簡単なアンケート調査を行なった。 3.本事業による研究成果を関連学会の大会で発表した(日本語教育学会春季大会(パネル)、平成28年5月21日、於東京、日本語教育学会秋季大会(デモンストレーション発表)、平成28年10月8日、於松山、AAS年次大会、平成29年3月17日、於トロント)。 4.本事業による研究成果を関連学会の学会誌や研究代表者の所属機関の紀要、年報に発表した(『専門日本語研究教育』第18号、平成28年12月、『東北大学言語・文化センター年報』第2号、平成29年3月、『東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要』第3号、近刊)。 5.非母語話者を対象とする古文(文語文)、漢文、くずし字の教育について、それぞれの専門家がその実態と課題を報告する公開セミナーを開催し、その一環として開発した文語文試作版教材を提示し、本事業の成果報告を行なった(平成29年3月7日、於東北大学)。セミナーに続き、研究組織グループを中心に関係者が集まり、今後の教育および研究の推進について協議した。
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