研究課題
基盤研究(C)
平成25年度は平成24年度11月より3ヶ月毎に実施している第1期生(5名)と第2期生(5名)の調査―発話行為に関わるストラテジーと言語表現の調査、及び、学習環境要因調査―のデータ収集と分析を進めている。また、比較対照として日本語母語話者20名のデータ収集も行った。データ収集及び分析対象の発話行為は依頼・勧誘・謝罪・提案で、データ収集方法としてはクローズド・ロールプレイを採用した。社会的・状況的な変数の影響は、クローズド・ロールプレイの状況設定を変えることで検証している。分析にあたっては、意味公式、及び、CCSRPで提唱された分類の枠組みを主に採用しているが、先行研究の多くは中間言語語用論の縦断的研究ではないこと、また、日本語における中間言語語用論の縦断研究の分析手法も十分に確立されていないため、新たな理論的枠組みや分析方法を開発する必要があり、現在は先行研究から分析の理論的枠組みと手法に関する示唆を得つつ、分析手法を構築している段階である。現在まで、収集したデータを用いて「依頼」と「謝罪」についての意味公式と言語表現の分析を行い、それらに関する研究発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
分析対象の発話行為は、依頼・謝罪・勧誘・提案で、データ収集は順調に行われている。日本語母語話者の20名分のデータも収集済みである。データ分析に関しては、第1期5名(12ヶ月)の依頼と謝罪の意味公式と言語表現の分析が終了している。勧誘・提案に関しても順次、分析を行っていく予定である。データ収集に関して、第1期生(5名)の調査は、留学や帰国その他の事情により、同一学習者に対して12ヶ月以上継続してデータ収集を行うことができず、3ヶ月ごと計5回(12ヶ月)の調査となった。第2期生(5名)、3期生(5名の予定)においても同様の事情が見込まれ、それぞれ約1年間の調査になることが予想される。
平成26年度以降も引き続き、第2期生(5名)と第3期生(平成26年11月から実施、約5名の予定)に対する調査を継続して行う。これらのデータ分析を行うのと平行して、研究の発展途上において明らかになった結果から順次、学会における研究成果の発表を行い、論文にまとめて学会誌等に投稿する。当面は、依頼・謝罪の発話行為に焦点を絞り、分析を進めていく。
物品費及び人件費が予定よりかからなかったため。データ分析のための人件費にあてる予定である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)
Proceedings,The Pragmatics Society of Japan (2014年第16回大会 第9号)
巻: The 16th Annual Conference ページ: 未定 (8 pages)
TBD
CAJLE 2013 Proceedings Assessing “proficiency”: Teachers’ roles in supporting students’ learning
巻: CAJLE2013 Proceedings ページ: 20-29
http://www.jp.cajle.info/wp-content/uploads/2013/10/