本研究では初級初期の日本語学習者(L2)10名の語用論的発達を13ヶ月に渡りロールプレイによって縦断的に観察し、依頼と謝罪に関わるストラテジーとスピーチレベルの発達過程を分析した。学習環境要因のインタビュー調査も行った。同時に日本語母語話者(NS)20名のデータも比較対照として分析した。 結果、L2とNSでは依頼と謝罪で異なるストラテジーがある、L2の依頼補助部に大きな変化はないが直接的な依頼が減り間接的な依頼が増える、スピーチレベルは主レベルでは対人関係に応じ変化が見られるがサブレベルはNSのような変化がない、NSとの接触の頻度が相手に応じた語用論的能力の使用に影響を与えることがわかった。
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