研究課題/領域番号 |
25370605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
尾関 史 早稲田大学, 付置研究所, 准教授 (00505399)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 年少者日本語教育 / キャリア支援 / 進学支援 / 複数言語環境 / 教材開発 / カリキュラム |
研究概要 |
本研究は、複数言語環境下で育ってきた若者たちに対して自己形成・キャリア形成を支える日本語教育実践を構想することを目的としている。複数言語環境の下で育ってきた若者たちの多くは、自らの将来を描くことは容易ではない環境に置かれている。しかし、現在、行われている支援の多くは教科学習支援が中心であり、進学支援、キャリア支援といった視点からの支援は少ない。そこで本研究では、複数言語環境で育ってきた若者が必要とする日本語教育とはどのようなものかをインタビューと教材分析を通して明らかにし、それらの知見をもとに、複数言語環境で育ってきた若者たちの自己形成・キャリア形成を支えていくための日本語教育実践の構築および教材の開発を行うことを目指している。 このような研究目的のもと、本年度は、若者たちが必要としている日本語教育実践および教材を明らかにしていくことを目的とし、以下の2点を実施した。 1)複数言語環境で育った若者たちへのインタビュー調査:外国籍児童、帰国生、国際結婚家庭の子どもなど複数言語環境で育ってきた若者を対象とし、インタビュー調査を行った。インタビューでは、若者たちの受けてきた日本語教育について語ってもらう中で、彼らに必要な日本語能力および日本語教育実践について探った。 2)自己形成・キャリア形成に注目した日本語教育実践のデザインおよび実施:留学生向けの日本語授業において、自己形成・キャリア形成に注目した授業をデザインし、実施した。 3)ボランティア向けの講座における成果の公表:1)、2)の実践から明らかになった知見を地域のボランティア向けの講座において、公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究活動のうち、教師・支援者へのインタビューを行う時間が十分に取れなかった。来年度以降の課題として継続していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果および課題を踏まえ、来年度は以下の研究活動を行う予定である。 1)今年度に実施した日本語教育実践の分析・考察:申請者がこれまで国内で行ってきた日本語教育実践の分析・考察を行う。 2)海外の年少者日本語教育実践の実態調査:海外の年少者日本語教育現場で活躍する教師へのアンケート・インタビュー調査を通じて、各国のカリキュラムにおける教育目標、教育実践の実態を明らかにしていく。 3)研究成果の公表:1)、2)で得られた知見をまとめ、国内外の学会・研究会で公表し、考察を深めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度、当初予定していた教師・支援者へのインタビューを行うことができなかった。そのため、インタビューにかかる謝金・文字おこしの費用ほかを中心に、次年度繰越額が生じた。 次年度はこの経費を使い、国内外の教師・支援者へのインタビューおよび教材・カリキュラム分析に力をいれていく予定である。
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