研究課題/領域番号 |
25370610
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研究機関 | 東北文教大学短期大学部 |
研究代表者 |
澤 恩嬉 東北文教大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50389699)
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研究分担者 |
渡辺 文生 山形大学, 人文学部, 教授 (00212324)
中林 幸子 四国大学, 文学部, 講師 (70610442)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 学習環境 / 初級日本語学習者 / つながり / SNS / 遠隔授業 / 教師の役割 / 学習ストラテジー |
研究実績の概要 |
26年度は、25年度に引き続き国内・外における初級日本語学習者のSNSなどのオンライン・コミュニケーションツール使用の実態を調査し、実際に行ったSNS上でのやりとりをコミュニケーション分析、学習ストラテジーとしての観点で有効性を検証するとともに、体系化された学習環境デザインの構築を試みた。 また、学習者の自主的な活動に加え、教師主導の月1回の遠隔通信を行い、学習者と日本語母語話者の出会いの場および交流の場を提供した。この遠隔通信のメンバーには月1回の通信以外でも教師が提供したSNSツールを使用し自由に交流するよう促した。さらに、最も活発に交流を行った日本語母語話者には、直接韓国の方へ出向き、学習者と直接対面させ交流をはかったところ、その後のオンライン上でのやりとりがより活発に行われたことが分かった。 学習者のオンライン上での学習活動を教育現場において応用可能なものとしての活用を考えた時に、教師はどのような関わりをすべきなのかについても実践を通じて検討を行った。その結果、日本語学習者と日本語母語話者のオンライン上での継続的なつながりのためには、教師は①交流の場の提供者②活動内容の企画者③仲間であり後見人としての役割④チェック・観察者としての役割という4つの役割を担う必要があることが分かった。このような結果については、2014年7月にシドニーで開催された日本語教育国際研究大会において成果発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度は、7月にオーストラリアシドニーにおいて日本語教育国際研究大会が開催されたが、そのテーマが「つながりとコミュニティ」という本研究と非常に深く関わる内容であったため、当初研究最終年度に予定していた国際学会などにおける成果発表を26年度に行った。国際大会での発表結果および情報収集した内容をもとに現在も順調に研究を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度である27年は、前年度同様縦断的調査を進めつつ、体系的な学習環境デザインの試案をもとに実際の教育現場への応用可能生を探る予定である。教育現場での実践内容は、国内における学会および研究会において実践報告として発表し、論文としてもまとめ発信予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究2年目の26年度は、当初27年度に予定していた国際学会における成果発表を26年度に行うことになった。そのため、前倒し支払い請求を行っている。次年度使用額が生じた理由は、国際大会への参加のため研究計画にあった国内学会などへの参加が実施できず、旅費として計上していた分の残額が生じてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究最終年度の27年度は国内学会などにおける成果発表を中心に行う予定である。26年度の残額は主に国内の旅費として使用する予定である。
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