研究課題/領域番号 |
25370611
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
中上 亜樹 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 准教授 (90581322)
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研究分担者 |
桜木 ともみ 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (80643808)
松岡 知津子 三重大学, 国際交流センター, 准教授 (60571495)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 処理指導 / 効果的な指導 / 文法項目 |
研究実績の概要 |
本研究は、第二言語習得研究の成果をもとに考えられ、外国語習得に効果があると言われているインプット理解活動を中心とした「処理指導」という指導法を取り上げ、日本語教育の現場へ応用するためには、従来の授業の中にどのような形で取り入れると効果的かという点について、実験的な手法を取り入れて明らかにすることが目的である。 3年間の研究計画のうちの2年目である平成26年度は、実験調査の一部実施と実験計画の見直しを行った。平成26年度前半では、調査の方法や内容を確認するために予備調査を行い、その結果について7月にシドニーで行われた日本語教育国際研究大会で発表を行った。後半では、予備調査と学会発表での情報収集により、調査で取り上げる文法項目と調査対象者に修正を加えることとし、そのための準備を行った。具体的には、指導対象とする文法項目を「使役受け身文」と「連体修飾文」から「受け身文」へと変更することにし、実験プログラムをもう一度作成し直すための準備を行った。また、調査対象者については、日本国内の留学生を対象とする予定であったが、条件を統制しやすい海外の日本語学習者を対象に、統制群も設けて調査を行うこととした。調査地についてはすでに決定し、現在実験時期など細部の確認を行っている。 当初の研究計画から、文法項目と調査対象者を変更することになったが、学会発表で得られた他の研究者からのアドバイスを計画に反映させることができ、よりよい実験計画で、興味深いデータが得られるようになったと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度の計画は、実験調査を行うことであった。当初は、計画通りに調査を進めていたが、2014年7月にシドニーで行われた日本語教育国際研究大会でポスター発表を行った際に、日本国内外で第二言語習得研究を行っている研究者と意見交換を行い、実験の対象者や文法項目に関してアドバイスを受けた。 その後、分担者と検討した結果、計画を若干修正して実験を行ったほうがより興味深いデータが収集できそうだとの結論に至り、実験材料をもう一度準備し直すことにした。そのため、従来の計画からは少し遅れてしまったが、調査地も決まっているため、研究の遂行には支障がないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、昨年度修正を行った文法項目と調査対象者に対して実験調査を行う予定である。 まず、実験で使用する材料を準備して実験のプログラムを作成した上で、実験手順の確認を行うために日本屋内で予備調査を行った上で、海外で実験調査を行う予定である。実験調査では、1人1台ずつPCを使って行うため、協力者とともに海外へ行き、そこで集中的にデータ収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は実験調査を行うために、旅費や人件費・謝金の予算を多く見積もっていたが、調査の計画を見直すことにしたため、その部分の予算の執行があまりなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に当初の予定よりも人数を増やし、海外で実験調査を実施することになったため、平成27年度分については、計画通りに予算執行を行うことが可能である。
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