研究課題/領域番号 |
25370612
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
笠原 究 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50439006)
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研究分担者 |
平井 愛 関東学院大学, 人間環境学部, 講師 (10554339)
生馬 裕子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60549088)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 語彙習得 / コロケーション / 学習リスト |
研究実績の概要 |
昨年度はリストに載せる「既知語」と「未知語」からなるコロケーションをCorpus of Comtemporary American English (COCA)から3人の研究者が収集した。今年度はその3人のリストを統合し,2つのリストにまとめた。1つは「既知語」+「未知語」という順のコロケーション・リストであり,もうひとつは「未知語」+「既知語」という順のコロケーション・リストである。その後,抽出した2語のコロケーションを精査し,2語として成立しない組み合わせを削除する作業を続けている。例としては,「名詞」+「動詞」や「形容詞」+「形容詞」などのより大きなチャンクの一部と考えられるものである。また,固有名詞や商標名などもリストから削除している。 リスト作成と平行し,効果的なコロケーションの提示方法についての実験も行った。1つの目標語を覚えるのに,3つの既知語を選び,3種類のコロケーションを作成する。この3つのコロケーションをまとめて1つに提示するやり方と,間隔を置いてばらばらに提示するやり方ではどちらが目標語を覚えやすいかに関して実験を行った。参加者は63名の大学生である。コロケーションリストの中から,参加者が知らない18個の目標語を選び,各目標語に結びつく既知語を3語ずつ選択し,計54個の2語からなるコロケーションを作成した。続いて3枚からなる2種のリストを作成した。リスト1は,目標語を含む3つのコロケーションをまとめて1枚に提示している。1枚につき6つの目標語を含む18個のコロケーションが目標語ごとにまとめて提示される,計3枚からなるリストである。リスト2は同じく3枚からなるが,18個すべての目標語を含む18個のコロケーションが1枚に提示される。2,3枚目も同じ18の目標語が,異なるコロケーションで提示される。今年度データが採取できたので,今後分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り3人のリストを1つに統合できた。また,提示方法に関する実験も,マテリアルを作成し,実験も予定通り行うことができた。今後はリストの点検作業の続きと,昨年度採取したデータの分析であるが,残り1年で十分終了できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
統合されたリストを,研究者2名で分担し点検を進める。今年度前半でこの作業を終了し,後半は業者に依頼してウエッブサイトを立ち上げ,一般に公開する予定である。 また昨年度の実験データも前半のうちに分析を終え,後半には学会発表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者(平井愛)が年度末に海外の学会(AAAL:米国応用言語学会)に参加予定であったが,職場を異動することになり参加できなくなったため,予定していた旅費を使用できなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度はまた参加可能な海外学会にて研究成果を発表する予定であるので,その旅費として使用する予定である。
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