研究課題/領域番号 |
25370614
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
CECILIA・N Silva 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (40361208)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マルティモダリティ |
研究実績の概要 |
理論と実践を含む2014年度実績 1)授業での実践について 1.1. 以下の目的に使用するため、シラバスの項目に準じた教育ビデオを開発した。:a)リスニング・アクティビティ、b) オーラル・コミュニケーション、c)文化的アプローチ、d)語彙と文法練習、e)ライティング・アクティビティ。1.2. 教室でのアクティビティをベースとしたビデオについて、学生に聞き取り調査を行った結果、次のような回答を得た。これらの回答は、今後のビデオ開発の検討材料とする。1.3 トレドの国際学習センターから外国人学生のコーディネーターを招き、外国人学生コース向け教材開発についてスペイン語教師を対象に講演していただいた。 2)理論について、多文化主義、マルチモダリティ、文法評価という3つの概念に基づく理論的枠組みで活動を行った。マルチモダリティの概念に関しては、日本教育工学会第30回全国大会(岐阜大学2014年9月21日~23日)にて「外国語授業のための視聴覚教材開発」の論文発表を行った。文法に関しては、第35回大会全国語教育学会(筑波11月22日~24日)のワークショップの一部として「動詞は楽しい:文法とコミュニケーションの統合」の論文発表を行った。多文化主義に関しては、第64回東北・北海道地区大学等高等・共通教育研究会(帯広畜産大学8月28日~29日)で「スペイン語授業シラバスへの文化的テーマの統合」の論文発表を行った。以上の3つの概念と語学教育へのその適用について論文「外国語としてのスペイン語教材開発のためのコミュニケーション、マルチモダリティ、異文化間基準」にまとめ、第25回大会スペイン語教育学会(マドリッド、カルロスⅢ大学9月17日~19日)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際、本研究は以下の理由により、かなり円滑に進展している。 1.多文化テーマとマルチモダリティの概念に関して非常に多くの参考文献がある。従って、文化的テーマと言語、またマルチモーダルのテーマと語学教育を関連付けるための理論的枠組みを構築すること、語学教材開発の中に理論的概念を適用するためのモデルを構築することが可能だった。それに加えて、言語構造とコミュニケーションのアクティビティを組み合わせる手法の研究だけでなく、授業での実践に於いても顕著な進歩を遂げることができた。しかしながら、マルチモーダル理論と教材開発へのその適用の研究はまだ進行中であり、2015年度も更に手を加えていく予定である。 2.教材開発については、東北大学でスペイン語授業を受けている学生の参加によって、頻繁に評価・修正を行うことができる。それに加えて、教材開発へのマルチモーダル理論の適用については、ティーチングアシスタントを務めるコミュニケーション学の大学院生がディジタル教材のデザインにも協力してくれている。
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今後の研究の推進方策 |
2015年は、スペイン語教育のディジタル教材開発が研究と実践の焦点となる。 理論の領域では、多重方式の情報通信技術の使用や授業用教材開発へのその適用といったマルチモダリティの観点の研究を続ける。マルチモーダルの概念と関連するその他の概念(社会記号論、コミュニケーション、意味生成)に基づいて、文法練習と多文化のテーマに関連するハイパーテキスト・アクティビティを現在デザイン中である。マルチモダリティに関する主なテーマと、その概念に沿って開発した授業用教材のレポートをまとめて論文とし、東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要2並びに第31大会日本教育工学会(電気通信大学)及びスペイン語教育学会(グラナダ大学、9月)の各学会で発表する。 実践の領域では、以下の作業を予定している。a)2014年のスペイン語ワークショップのためのハンドブックを使用した学生へのアンケート結果の検討とハンドブック新版の印刷、b)授業用に開発した視聴覚教材と、必要な場合はビデオ改訂版及びビデオをベースとしたアクティビティに関するアンケート結果の検討。 2013年、2014年、2015年に開発した教材(ハンドブック、視聴覚及びディジタル教材)の理論的枠組みと実践的アクティビティの完全統合の成果を第36大会全国語学教育学会(静岡、11月)で発表する予定。従って、2015年度の研究費は参考調査に必要な書籍の購入、学会への出席、論文の校正、ディジタル教材開発に協力してくれるアシスタントへの支払い、2016年度にスペイン語を履修する学生向けの教材一式(ハンドブック、ビデオ、ディジタル・アクティビティ)の製作に充てる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度(9月)、スペインで開催された「スペイン語教育法学会」に参加してから調査する予定だったが、国内で同じ期間に日本教育工学会の大会行われたため、後の方の学会に参加した。そのため、予定より科研費が余った。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度の科研繰越経費は以下の使用を予定している: 1.スペインの「スペイン語教育法学会」に参加してスペイン語教材開発のためのコミュニケーション、マルチモダリティ、異文化基準に関する情報収集をする他、国際学会参加に係る出張費等。2.英語・日本語双方で投稿する論文のネーティブチェック・校正作業に係る支払い費用。3.教材一式(ハンドブック、ビデオ、ディジタル・アクティビティ)の製作に充てるに費用。
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