平成27年度後期の教養教育の英語2クラスを対象に行った、ABC放送の教材中のディクテーションの誤答についてのリスニング練習の効果を分析するため、当初のディクテーション中の解答に加え、その中の主な誤答について実験期間後に行った別のコンテクスト中のディクテーションの解答は、iPadなどの電子ノートから、Evernoteのノートへ転送し、エクセルファイル上でクラスごとに解答を集計した。 2クラスは、実験期間初めのディクテーションにおける主な誤答の単語または単語の連続から、聞き間違えた音素列について、正答と誤答を対照的に聞き分ける練習を、それぞれ異なる単語リストを使って行っていた。練習語の選択は、聞き間違えた音素列と対照する正答中の音素列を含むだけでなく、音素配列確率、および隣接語の2点を選択に際しての主な条件としていた。特に音素配列確率の考え方について、先行研究からさらに理解を深めるとともに、隣接語の影響に関して、今回の実験結果を分析し、考察を行うべく、分析のポイントについてさらに検討した。 当初のディクテーションにおいて聞き間違えた音素列を含むものの、実験期間中に練習はしていない別の単語の聞き取りへの、音素配列確率、隣接語、語彙頻度の観点から選択した練習語の影響・効果に関して、実験後のディクテーションにおける単語認知について分析を行うため、ディクテーションの得点を集計した。また、実験前後の得点の伸びについて、2クラスの比較を行い、どのように変化したか分析を進めた。
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