研究課題/領域番号 |
25370631
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
今井 典子 高知大学, 教育研究部 人文社会科学系 人文社会科学部門, 准教授 (30510292)
|
研究分担者 |
高島 英幸 東京外国語大学, その他部局等, 教授 (40128434)
工藤 洋路 玉川大学, 文学部, 准教授 (60509173)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | コミュニケーション能力 / リーディング / pushed input / Graded Readers / 後置修飾 / 前置詞句の後置修飾 |
研究実績の概要 |
本研究目的は、現在の日本の英語学習環境では、コミュニケーションを維持することができるために必要な言語知識のインプットが圧倒的に欠如していることを鑑み、インプット強化のための方法としてGraded Readers (GRs)とポストリーディング活動 (post-task)を活用することの具体的な提案にある。本調査での目標文法事項として、日本人学習者が苦手とする「前置詞句の後置修飾」を取りあげた。 パイロット調査を経て、本調査(東京都の公立中学校2校)では、対象の中学3年生を3グループに分けて検証している。GRsの中から選択したテキストを読み (on-task)、その後、GRsに準拠したpost-taskを実施したグループ①、GRsに準拠しないpost-taskを実施したグループ②、post-taskを実施しないグループ③である。前置詞句の後置修飾の習得を狙った pushed inputを行うことを検討し、出現頻度の比較的高いテキストを絞り込み、調査で実施するテキストを1冊選定した。効果を検証するために3回のテスト(pre-test、post-test、delayed post-test)を、3種類のテスト(リスニングテスト、2種類の文法テスト)で実施した。 調査の結果、生徒が前置詞句の後置修飾頻度が高いテキストを読み、文脈を理解する中で暗示的学習(implicit learning)が行われるということがわかった。したがって、目標とする文法事項の再出頻度を考慮しテキストを読ませることが望ましく、インプット強化(input enrichment)を意識することが必要となる。また、場面の中で理解させるように、form-meaning-useの視点を忘れず指導することが重要であり、post-taskを実施する前に再度テキストでどのように文法事項が使用されているのかを場面の中で生徒自身に考えさせた後、post-taskを実施することが効果的であると考えられる。
|