研究課題/領域番号 |
25370633
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小笠原 真司 長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (70233393)
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研究分担者 |
廣江 顕 長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (20369119)
奥田 阿子 長崎大学, 言語教育研究センター, 助教 (60631249)
コリンズ ウィリアム 長崎大学, 言語研究研究センター, 准教授 (10346942)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 3 STEP 教材作成 / リスニング力向上 / オートノミー育成 / テスト開発 / G-TELP試験 / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
3ラウンドシステムによる教材(3 Step)を授業外学習として、全学部の教養教育の英語受講者1,2年生、3,200名全員に課すシステムを構築して、3年目となった。平成27年度は、より確実に学習がすすむように、非常勤担当のクラスを含めすべてのクラスで、学期間に2度のテストも実施した。テスト開発に関しては、学習対象となっている教材6種類に関して、5~7程度並行テスト開発し、連続して,あるいは、同じテストが使用されることがないようにした。学生の英語学習の直接的な効果をはかるこれらのテストに加えて、使用者の多いAmerican Daily Life とPeople at Workの二つの教材に関しては、ワークブックも作成し、学生のe-learningをサポートする体制を整えた。 このような状況において、前期730名、後期710名の同じクラスの学生にe-learning教材としての3 Stepの内容および個人の態度の変化をみるアンケートを実施し、その集計も終了した。現在は、学会発表にむけて、前期と後期のデータの違いを統計的に分析中である。 3ラウンドシステムによる教材に欠けている初級用動画教材の作成に関しては、平成27年9月に共同研究者が、シアトル、ニューヨークに、教材化するために動画を撮るために渡米し、現在はそのデータを利用して、音声にキャプションをつける作業を実施中である。 また、本研究の成果を客観的指標から確認するため、1年前期、後期、2年前期において、G-TELP(国際英検)の試験を全学部で研究初年度から実施しているが、現在は平成27年度のデータの整理中である。なお、本研究の中間報告として、初年度および2年目のデータを分析報告した『平成25/26年度(2013/14年度)G-TELP(国際英検)実施に関する報告書』を平成27年度末(2016年3月31日)に発行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究2年目の平成26年度後期、本研究メンバー4名の中でもその中心である研究代表者の小笠原と研究分担者の奥田が、休職をとらざるをえない状況が発生した。そのため、当初3年の計画であったが、1年間の延長を申請し、承認された。当初、予定していた3年目の教材開発や成果の学会発表および論文発表、報告書の作成は、平成28年度の作業内容として行うこととなった。 その代わり、平成27年度は、最終年度になった平成28年度の報告関係のデータや資料収集に専念した。平成27年度の前期と後期を用い、学生の3 STEP学習態度の変化やオートノミーの育成に関してのアンケートを行った。前期も後期も700余名を対象として実施し、平成28年度に向けて、質的な面からの分析を行う体制をととのえることができた。 3 STEPの教材作成に関しては、すでにアメリカにて動画撮影を終え、音声にキャプションをつける作業を行えるとこまで、データの整理が終わっている。 量的な面からの分析のため、平成25,26,27年度とG-TELPを前後期実施し、平成25年度と平成26年度に関しては、中間報告として報告書にまとめている。現在は、平成27年度のデータ整理にとりかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
延長させていただいた平成28年度は、平成25年度から平成27年度の3年間のデータを整理し、学会発表、学会誌への投稿、報告書の作成、さらに3 STEP教材の初級編の作成を行う。 教材作成に関しては、アメリカでの動画の処理が終わっているので、動画を使用したアクティビティの作成、音声のキャプションはりつけ、解説文の作成を行い、平成28年度中に教材化し、平成29年度から使用できる体制にする。 アンケート調査のデータ整理はエクセル上では完了しているので、統計的な処理を行い、G-TELP試験の成績推移とともに、いくつかの学会にて発表予定である。すでに7月のJACETの九州・沖縄支部大会において、最初の発表予定である。 テストによる量的な側面からの分析は、G-TELPのデータ整理が平成27年度はまだ行われていないので、急ぎ行い、夏以降にすでにデータ整理の完了した平成25年度26年度との比較を行い、学会誌等に投稿する予定である。 また、これらの全体的な報告書の作成を科研費を用いて、平成28年度中に行い出版する予定である。 さらに、3 STEP教材の提供元である千葉大学言語センターと密に連絡をとり、最終年度の成果やまとめに関して、意見をもとめることにしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
1年間の研究延長の許可をいただき、研究最終年度を平成28年度としたため、当初予定していた報告書(書籍)の作成等のため、871,396円の次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
使用予定として、学会発表等の旅費として、200,000円、独自の3 Step教材におけるキャプション打ち込みを依頼する際の人件費として、100,000円、報告書は書籍としての形ものを考えており、その出版に500,000円、その他消耗品費や関連図書の購入に71,000円程度を予定している。
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