研究課題/領域番号 |
25370634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
折田 充 熊本大学, 大学教育機能開発総合研究センター, 教授 (60270386)
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研究分担者 |
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
神本 忠光 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20152861)
吉井 誠 熊本県立大学, 文学部, 教授 (70240231)
R・S Lavin 熊本県立大学, 文学部, 教授 (70347699)
村里 泰昭 熊本大学, 教育学部, 講師 (90229980)
小林 景 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 助教 (90465922)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メンタルレキシコン / ネットワーク構造 / クラスター化 / 変容 / オンライン学習 / 単語仕分け課題 |
研究概要 |
大学生が“一度は学んだ(見た)ことのある英単語”を学習のコア語として,コア語,そしてコア語と意味の上で結び付いているクラスター語について,語彙知識の深化とネットワーク化を図ることのできる自学教材の開発を目指している。つまり,大学生の英語のメンタルレキシコン(頭の中の「辞書」)において,必ずしも定着が完全ではない語彙知識やネットワーク構造を精緻化・強化する教材の開発を目的とする。教材は,半期なりの大学の英語授業の中に取り入れることができて,PC上で取り組めるものにする。 初年度にあたる今年度は,まず理論的な枠組みとして,語彙知識の深化・ネットワーク化を促進する学習のモデルを構築した。学習モデルは,英語の動詞について,学び直し前,学び直し中,そして学び直しの3段階で捉えるものとした。そして,コア語(50語)とクラスター語(各コア語について5語)を計画的に学習することで,深化・ネットワーク化した語彙知識の形成と獲得につながるとする研究仮説を立てた。この仮説のもとに,英語動詞の語彙知識やネットワーク構造を精緻化・強化につながる教材開発を開始した。 教材開発は,50個のコア語それぞれについて,WordNetなどを援用してクラスー語とする語の候補を選定することから始めた。なお,開発していく教材は次の4点を踏まえることとした。1.教材は全12ユニットとする。各ユニットの構成は,提示→自己診断テスト→学習→確認テスト→強化とする。2.取り上げる英単語の意味は,学習を通して同じものを基本とする。3.「提示」は,Movieで作成する。4.コア語+クラスター語の中での他の意味などは適宜「解説」に入れる。 平成26年度前半の完成を目指し教材開発に取り組んでいる。また,英語熟達度とメンタルレキシコン内の意味的クラスタリング構造の関係などについて,研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,1.学習モデルの構築,2.教材開発方針・教材仕様の確定およびそれに基づく教材開発(50個のコア語(英語動詞)とクラスター語(各コア語について5語)から成る全12ユニット,1ユニットは4~5語のコア語で構成),3.オンライン版教材開発(学習効果検証のための語彙知識ネットワーク度を測定するオンラインテスト(オンライン仕分課題)開発を含む)を計画した。学習モデルの構築およびオンライン仕分課題開発は予定通り終了した。また,教材開発方針・教材仕様を確定することができた。教材開発は予定よりも日数を要することが明らかとなり,開発終了は2年目の前半を予定している。これらのことから,本プロジェクトの推進は若干予定より遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に予定していた「動詞」教材開発をプロジェクト2年目前半に終了する。当初の研究計画の通り,このオンライン自学教材を後学期の授業に導入し,構築した学習モデルを踏まえてその学習効果を検証する。検証結果や学習者の感想を考慮し,「動詞」教材を改訂する。「名詞」教材の開発に着手する。併せて,「名詞」オンライン仕分課題の開発に取り組む。また,学習者への教材に関する聞き取り調査や仕分け課題過程の質的研究などを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に予定していた計画のうち,「動詞」教材開発終了が次年度前半までを要することになり,教材オンライン化に関連するレンタルサーバなどの経費を使用しなかったため。 前年度使用しなかった経費とともに,当初計画の通り,「動詞」教材の学習効果の検証,「名詞」教材開発とオンライン化,またそれらに基づく研究発表に要する経費を使用する計画である。
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