研究課題/領域番号 |
25370640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
江澤 照美 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (80305507)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スペイン語 / CEFR / カリキュラム |
研究概要 |
本研究が目指しているのは、スペイン語学習者が自律的に学習を継続するための中級レベル以上の学習の指針とモデル構築である。指針を作る上で主として参考にするのは、ヨーロッパ共通参照枠(CEFR)、CEFRをもとにセルバンテス協会がまとめたスペイン語教育・学習の指針や基準作りの新参考指導要綱である。 研究代表者は昨年度「日本のスペイン語の中上級教育再考」という口頭発表を実施し、従来のスペイン語専攻教育の在り方や今後の課題などについて見解を述べた。口頭発表の中では必ずしも十分に言及をしなかったが、この段階では本研究課題の主たる目標である中上級レベルの定義やその見直しも視野に入れていた。 そのあと、本研究で初年度に実施する予定であった計画のうち、セルバンテス協会の新参考指導要綱の研究については、十分にまとめきれたとは言えないが、異文化理解に関する章などについて考察をおこなった。 アンケート調査や特殊領域外国語教育に関する調査、その他の実地調査については後述する事情によりまだ実施していない。次の年度につながる活動を初年度におこなっているが、それは主に入門レベルのスペイン語教育に関わるものであるため、今後はそこから中上級レベルの教育に考察を広げていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題実施の初年度にあたる昨年度、ラジオ講座入門編の講師就任を要請され受諾した。同講座カリキュラムの設定レベルはCEFRのA1.1レベルであり、本事業が想定する中上級スペイン語教育とはレベルの差があるものの、日本のスペイン語教育に関してCEFRの文脈化を考えるための機会を得ることが期待されたためである。 しかしながら、CEFRを参考にしながら従来にはなかった新しいカリキュラムを作成し、かつそれをラジオ講座として完成する作業は、想像をはるかに超える月日を要した。 研究代表者は、本研究課題の推進とラジオ講座のための活動をも両立させるのは時間的に不可能であると判断したが、同時に、ラジオ講座のカリキュラム作成およびその完成に至る前での数多くの発案や考察は本研究課題の今後の推進に役立つと確信した。そこで、本研究課題第一年目の活動のうち、特に国内外での調査に関わる部分を第二年目に実施するなどの研究計画の見直しをおこなうことにした。 したがって、当初の研究計画書に従えば、初年度の目標をまったく達成できていないと判断せざるを得ない。この遅れは今後の研究計画の見直しにより挽回する所存である。
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今後の研究の推進方策 |
まず、昨年度実施できなかった調査活動を今年度は実行する。資料収集もまだ十分ではなく,早急に遅れを取り戻す所存である。 本研究計画推進を妨げる原因となったスペイン語講座のカリキュラム作成に取り組む中で,スペイン語以外の言語におけるレベル別の語学教育との比較対象もする必要があるかもしれないというアイデアを現在持っているが、まだ具体的なアイデアとしてはまとめきれていない。 今年度は前年度の活動で得たものを極力生かしつつ、中上級教育への応用について取り急ぎまとめたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度、今後の研究計画見直しが必要な仕事が発生し、その結果として昨年度予定していた額を執行できなかったため。 今年度に繰り越す。
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