研究課題/領域番号 |
25370646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
田中 洋也 北海学園大学, 人文学部, 准教授 (70521946)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 電子ポートフォリオ / 英語語彙学習 / eラーニング / 学習方略 |
研究概要 |
外国語学習環境にある英語学習者の自律、継続的な語彙学習を可能にするためにComputer Mediated Communication (CMC) 機能連携型電子ポートフォリオシステムを開発した。システムは、自律学習や授業課題を通した学習者個人の語彙学習記録を可視化し、理解・学習状況のモニタリングと学習方略のコントロールを可能にすることで個人の英語語彙学習を支援する。初期システムについては、学習者からの有用性評価を検証し、システムの目的、概要と合わせて情報通信技術(ICT)を用いた言語教育に関する国際学会であるWorldCALL2013において口頭発表を行った。その内容については公刊予定のWorldCALL 2013 Bookでも報告する。初年度に開発したポートフォリオシステムでは,主として次の3つの機能を実装し、学習支援の方法として確立した。(1) 学習者が学習対象とした語彙項目について、理解度の段階(語親密度)を設定することで、理解度に合わせた語彙学習方略使用(リハーサル機能)を可能にした。(2) 特定の教材テキストを個人の学習記録と対比させることで、未知語,既知語を可視化し,既存の同様システムでは実装されていない精緻なレベルでの学習進捗状況の把握を可能とした。また、学習者のシステム上におけるCMC機能による産出言語情報を個人のポートフォリオ内に格納し、通常は意識化されない既存の知識を可視化することで学習目標に対する気づきを促す仕組みを構築した。(3) 動画を用いた授業課題をフィードする機能を実装し、課題に関する学習者間のコミュニケーション活動を可能にすることで、協調学習を促す仕組みを構築した。初年度後期には、研究代表者の所属以外の教育機関においても使用の普及を図り、今後の実証的研究の態勢を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画において初年度に実装予定であった個人の学習記録に応じて学習の助言を与えるフィードバック機能の実装が他の機能(CMC機能)の実装に時間を要したために遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に開発予定であった個人の学習記録に基づいて学習の助言を与えるフィードバック機能を実施2年目前期に実装し、後期より実証研究を行う予定である。また、より統合的な外国語学習支援方法として確立するために学習管理システムとの連携機能を付与する予定である。さらに、システムを用いた教育介入効果の検証について研究代表者の所属機関以外の教育機関とも連携し、学習効果の測定、学習者による有用性の認知から実証的研究を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費の一部は研究代表者が所属機関の学内共同研究事業による助成を受けたため、購入予定物品の一部が購入不要となったため、使用が抑制された。また、初年度9月に次年度の国際学会での発表が内定したため、研究代表者・協力者の旅費分を考慮し旅費支出を抑制した。 発生した次年度使用額は、旅費(国際学会参加費用)および、未実装機能のシステム開発費として使用の予定である。
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