本研究では,モバイル世代向けのために,授業外学修はもちろん対面授業中でも活用できる実践的モバイルラーニングの構築を目的とした。対象とした授業は,韓国語検定試験の対策授業で,本質的な双方向型授業と授業外の学修活動拡大のためのスマートデバイスを用いた一つの活用方法を開発した。開発したモバイルラーニングのシステムはネットワーク環境や外部支援などに頼らず,スマートデバイスの基本機能のみを用いて,双方向授業と授業外の学修活動を促す授業,さらに教材の設計・構築を行う。 例えば,従来の紙媒体の練習問題と教員の肉声やCDプレイヤーの音声をディジタル化し,スマートデバイスのマルチメディア機能に組込む。練習問題の自動採点は,スマートデバイスのBluetooth通信とデータベースSQLを用いて行い,即座に学生の理解度把握とフィードバックもできる。授業外での事前準備と事後展開を促すために,スマートデバイスに,練習問題の復習,単語学習,自習テストの学習機能を提供する。 また,提案手法を授業で実践活用しながら,使用前後のアンケート調査を行う。その結果を通して,提案手法が学生の主体的な学び,すなわち能動的学修活動にどのような効果を与えたのかを調べる。本研究では,韓国語検定試験の聞取り対策を題材に提案手法の授業と教材の設計・構築を行っているが,教育内容と方法の工夫によって,他教科にも適用可能なものである。また,提案手法は,大学を始め,ネットワーク環境と学習管理サーバの設備が十分に整ってない小中高の学校でも能動的学修が容易に展開できることも大いに期待できる。 なお,本研究を通して得られた研究成果は,1冊の書籍分担執筆,1編の国外学術論文誌,6編の国内学術論文誌、3編の国外学会、11編の国内学会で,公表している。
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