研究課題/領域番号 |
25370652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
日臺 滋之 玉川大学, 文学部, 教授 (60459302)
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研究分担者 |
P.J.L Rowland 玉川大学, 文学部, 准教授 (40307161)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 日英パラレルコーパス / bilingual corpus / parallel corpus / 英語で言いたいことが言えるようになる / 現場型リサーチの研究 |
研究概要 |
①授業実践:話題は「春休みに何をしたか」についての会話であり、英語指導法IIIを受講する学生(大学4年生)に対して4月8日に実施した。 ②入力データの英訳作業の件数について:今年度は、これまで入力した日本文を毎週1回英語母語話者と自然な英語に直す作業を実施し、「530件」の英訳作業を終えている。 ③学会発表:発表タイトル:Use of Bilingual Corpus for EFL Learners―Research of the Vocabulary Japanese Learners Need(平成26年2月10th Annual CamTESOL Conference)。英語の授業で4つのコミュニケーション活動を実施し、英語で表現できなかった表現語句を日本語で書いてもらい、その後、英訳し、日本語と英語が一対一対応となる日英パラレルコーパスを構築したことと、コーパスの授業での活用方法について発表した。 ④著作:日臺滋之、伊関敏之他.2014.『これからの英語の研究と教育―連携教育の展望と課題―』共著、成美堂、(pp.154~188)。第5章「現場型リサーチの研究:英語で言いたいことが言えるようになるために―日英パラレルコーパスの構築とその活用」を執筆。筆者の中学、高校、大学、大学院の授業実践をもとに構築した日英パラレルコーパスを活用し、中学、高校の英語の授業に活かす方法を提案した。 ⑤Webでの公開:大学のWeb使用について認可を得て、これまでの研究成果を「英語で言いたいことが言えるようになるために―日本人英語学習者のための日英パラレルコーパス―」と題して、アップロードし、中学高校の英語教師がダウンロードし、使用できる環境を整えた(http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の第1段階では、筆者がこれまでのパイロット調査として行ってきた高校生、大学生との授業実践データを整理する。パイロット調査で収集した日本語データのコンピュータへの入力はすでに完了しているが、まだ350件の英訳作業が残っている。 新たに高校生、大学生の授業実践データを収集する。大学生のデータは筆者の授業の中で収集が可能であり、進めている。高校生データの収集に当たっては、玉川学園高等部の英語科の先生方に研究協力をお願いする予定である。筆者が出向き高等学校で授業を行う機会をいただくか、あるいは高等部の英語担当教諭に授業をお願いする必要があり、これからの課題である。
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今後の研究の推進方策 |
①パラレルコーパス検索ツールの問題点を改善する。 パラレルコーパス検索ツールのparallel-v5.html(Javaによるプログラム)は利用するコンピュータ環境によって、また、Internet Explorerの設定によってはうまく機能しない事もあり来年度以降の課題である。 ②今年度の進捗状況を踏まえて、第2段階、第3段階に進む。 第2段階では、高校生、大学生の授業実践データを整理し、コンピュータへ入力作業を行う。具体的には、エクセルのスプレッドシートに入力作業を行う。入力するうえで以下の点に十分留意したい。学習者が英語で表現できずに日本語で質問してくる場合、文脈を無視して単語だけで質問が寄せられることが多いだけに、日本語の質問はセンテンス単位で質問用紙に書いてくることをお願いすることが肝要である。そうしないと、英訳作業でどのような文脈でその日本語表現が使用されているのかわからず、英訳作業が難航する。 第3段階として、ALTの協力を得ながら、生徒からの日本語表現に関する質問を英語に直す作業を行う。日本人教師と高校での英語教授経験のあるALTとの間でディスカッションをしながら進める作業である。データの件数が多いため、英訳作業にかなりの時間を要する。日英パラレルコーパスの完成後の高校生の使用を考えると、高校の検定教科書の英語レベルに精通した、高校の教壇で実際に教授経験のある複数のALTの協力が必要となる。文法事項については、中学、高校の英語の学習指導要領の範囲内で、なおかつ語彙レベルについても十分配慮する英訳作業を心掛けたい。日英パラレルコーパスを構築した時の英語の質が問われるきわめて重要な作業であると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
人件費・謝金として、日本文を英文に直す作業のお手伝いとして英語母語話者を予定していたが適切な人材が見つからなかったために予定されていた支出ができなかった。 Webの公開にあたり、外部のサーバーを活用することもなく、またメインテナンスにかかる費用も支出することがなかったために予定していた支出が軽減できた。 日本文を英文に直す作業のお手伝いをしていただく英語母語話者の確保を引き続き行なう計画である。 現在は、研究成果の公開にあたり大学のWebを活用しているが、パラレルコーパスを検索するソフト作成のプログラミングは引き続いて行なう計画である。その作成費用として資金が必要となる予定である。
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