• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

コーパスに基づく時制、相、態、助動詞の研究とその英語教育への応用

研究課題

研究課題/領域番号 25370654
研究種目

基盤研究(C)

研究機関創価大学

研究代表者

藤本 和子  創価大学, 文学部, 准教授 (20350499)

研究分担者 黒田 正博  岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (90279042)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード学習者コーパス / 学習者英語使用傾向 / 学習英文法 / 英文法指導法 / 国際情報交換
研究概要

平成25年度は、本研究で掲げた3つの課題のうち、以下の2つの課題に取り組んだ。第1 課題:日本人英語学習者の時制、相、態、助動詞の使用傾向をネイティヴスピーカーの使用傾向と比較しながら分析する。第2 課題:時制、相、態、助動詞について日本人英語学習者に何を指導するとよいかを提示する。
研究内容は次の通りである。
1、研究代表者が、平成21、22 年、24 年度にかけて、英語ライティングの授業で収集した日本人大学生のライティングデータから、コーパスを作成した(以下、Fujimoto コーパス)。既存の学習者コーパスとともに応募者のコーパスを用いる理由は、従来の多くの単発データ回収による学習者コーパスと異なり、長期にわたる学習経過、学習者の属性や学習習熟度を十分考慮に入れたデータ分析ができるからである。かつ、授業での使用教科書と学習者の使用する英語表現の関連性を調査するためでもある。
2、国外学会(Corpus Linguistics 2013 於:英国ランカスター大学)で発表するとともに(7月)、コーパス基盤型研究で何が行われているのかについて最新の情報と知見を学び、国内外の研究者との議論により今後の研究の方向性を確認した。
3、海外共同研究者(Dr Geoffrey Leech)を訪問し、Fujimoto コーパスデータやネイティヴスピーカーコーパス分析方法及び、検索項目について協議した。
4、コーパス基盤型研究についての最新の論文、著書を参考にしながら、時制、相、態、助動詞について、日本人英語学習者に何を指導すべきか、英語学の知見と第二言語習得理論に基づき、英語教育のための英文法の観点から考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第1 課題である「日本人英語学習者の時制、相、態、助動詞の使用傾向をネイティヴスピーカーの使用傾向と比較しながら分析する」については、Fujimotoコーパスを完成することができた。今後、さらなる、コーパス検索と統計処理が必要である。かつ、比較するコーパスによって、分析結果が異なるため、比較方法にも更なる考察が必要と考える。
第2 課題である「時制、相、態、助動詞について日本人英語学習者に何を指導するとよいかを提示する」については、海外共同研究者からの指導、アドバイスを得ることにより、時制、相、態、助動詞が、学習文法においていかに重要項目であるかということを改めて認識するとともに、最新のコーパスに基づく時制、相、態、助動詞についての研究から、何に重点を置いて、どのようにして学習者に分かりやすく、かつ、学習者がそれらの項目を、状況において効果的に運用できるよう、いかに指導すべきかについて考察することができた。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、Fujimotoコーパス、International Corpus of Learner English やLongman Learners’Corpus などの大規模学習者コーパス、及びBritish National Corpus、Brown Family of Corpora、Corpus of Contemporary American English などの大規模母語話者コーパスをさらに比較検索し、データを分析する。また、Fujimotoコーパスを用いて、授業で使用する教科書と学習者が使用する英語の関連性を調査し、教材の重要性について考察をしながら、第3課題「新学習指導要領に基づいて作成された、中学校、高等学校の英語教科書が、時制、相、態、助動詞を、意味用法の違いやレジスター(書き言葉と話し言葉)での頻度の違いなどを考慮して扱っているかどうかについて分析し、教科書と学習者のこれらの文法事項の使用傾向との関連性を調査し、教科書に問題点や改善点があれば改善案を提案する」につなげてゆきたい。

次年度の研究費の使用計画

物品費で、高等学校教科書教師用指導書を購入する予定であったが、勤務先の図書館が購入したため、平成25年度はそちらのものを参照した。しかしながら、平成25年度と平成26年度で、調査対象とする教科書の全国占有率の順位が異なっていることもあり、また、研究を進めやすいように、指導書を平成26年度予算で購入する予定である。
人件費に関しては、データ処理を研究代表者が行なったため、アルバイトを雇用する必要がなかったためである。
平成26年度予算で、調査対象とする高等学校教科書教師用指導書を購入する。
言語データ整理及び、その他の資料整理のためにアルバイトを雇用する可能性がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] “The negative and question forms of used to in present-day English”2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuko Fujimoto
    • 雑誌名

      ICAME Journal

      巻: 37 ページ: 107-118

    • DOI

      http://icame.uib.no/ij37/Pages_107-118.pdf

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「Collins COBUILD English Grammar第3版に見る現代英語の文法の諸相」2013

    • 著者名/発表者名
      藤本和子
    • 雑誌名

      『英語英文学研究』

      巻: 38.1 ページ: 75-88

  • [学会発表] “Corpus frequency or the preference of dictionary editors and grammarians?: the negative and question forms of used to”

    • 著者名/発表者名
      Kazuko Fujimoto
    • 学会等名
      The 7th International Corpus Linguistics Conference (CL2013)
    • 発表場所
      Lancaster University, UK
  • [学会発表] 「Cambridge Advanced Learner’s Dictionary第4版の‘Common mistake’ boxについて」

    • 著者名/発表者名
      藤本和子
    • 学会等名
      JACET英語語彙研究会 & JACET英語辞書研究会 第4回合同研究大会
    • 発表場所
      麗澤大学
  • [図書] 『英語I』2013

    • 著者名/発表者名
      浅山龍一、藤本和子
    • 総ページ数
      297 (85-177)
    • 出版者
      創価大学通信教育部

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi