研究課題/領域番号 |
25370660
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
森山 幹弘 南山大学, 外国語学部, 教授 (50298494)
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研究分担者 |
原 真由子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (20389563)
降幡 正志 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (40323729)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | インドネシア語 / 文法記述 / 言語学 / 教材開発 / 外国語教育 |
研究実績の概要 |
2年目である本年度は、1年目の議論を通じて完成させた文法項目リストに基づいて3名の研究者がそれぞれ収集した素材を分析し、それを基にして担当する文法項目について基本教材の執筆を行った。初年度においては既存のインドネシア語教材の問題点についてじっくりと議論を行ったが、その分析を基にして本年度は新しい共通教材の記述を行うことに主眼をおいた。当初は「基本教材」と「応用教材」に分けて記述することとしていたが、議論を重ねるうちに、分類して教材を開発するのではなく、日本の教育機関において共通に使用できる教材を作り上げることを優先させることが重要と考え計画を変更した。 本年度は3回の研究会を開催し、それぞれ1.5日間の時間を確保して議論の時間を充分にとって共通教材の記述を検討した。各回の研究会では、それぞれが記述案を発表し、それを議論した後に、再度持ち帰ってリバイスしたものを共有するというプロセスを経て、共通教材の文法項目のうち全体のほぼ3分の2にあたる暫定的な記述を完成させることができた。特にインドネシア語の文法事項の要となる形態論的な文法項目の記述を終了した。 秋には外国語教育学会において、本研究テーマの背景、狙い、計画と進展状況について共同発表を行い、外国語教育の専門家からの貴重なフィードバックを得ることができ、それを踏まえて秋以降に実施した2回の研究会において記述の議論に活かすことができた。 3名の研究者はそれぞれの計画に従い、インドネシア、オランダでの調査を実施し、素材を収集するとともに記述した文法項目について検討を加えた。 昨年度にネイティブ・スピーカーを加えて共同執筆した論文を予定通り出版することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の最後の研究会で完成させた基本文法リストに基づき、それぞれが資料を集め、分担された文法項目について記述を行い、それについて3名で議論を行い、全体の3分の2以上の共通教材の文法記述を完成させることができたから。 研究の途中経過として関連する外国語教育学会で研究発表を行うことができたとともに、昨年度に共同発表し、それに基づいて共同で執筆した論文「インドネシア語会話の授業について」を日本インドネシア学会の学会誌「インドネシア言語と文化」第20号に発表することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
残りの共通教材の文法記述を早い時期に完成させるとともに、当初予定していた会話教材の開発とリンクさせていく必要がある。さらには教材バンクの創設の準備を具体的に開始する。 加えて、より完成度の高く実用的な教材の開発を推進するために、次年度で終了する本研究の継続研究計画を策定していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた物品(スキャナー)の購入を次年度に回したこと、また予定していた翻訳についても本年度は実施しなかったことにより謝金が発生しなかったために、持ち越しすることとした。
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次年度使用額の使用計画 |
持ち越し額については、最終年度においては予定していた物品を購入するとともに、海外での調査研究費に充当する。特に、予算計画をした時と比較して円安となっているため、海外出張費が予算を上回る可能性があるので、その差額を埋める為に使用する。
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