研究課題/領域番号 |
25370673
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
玉巻 欣子 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (50461182)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 海外薬学研修同行 / 国際情報交換 / ボストン / マサチューセッツ薬科健康科学大学 / 薬学英語テキスト |
研究実績の概要 |
本研究は、医学・薬学系大学が実施している海外研修の実態を把握し、海外研修をより効果的なものにするための事前教育の在り方を英語教育の観点から探るものである。平成26年度は以下のような成果を上げることができた。 1.私の勤務校である神戸薬科大学が3・4年次学生対象に実施している米国ボストンへの「海外薬学研修」に1週間同行し、その実態調査他、貴重な情報を収集できた。研修プログラムで訪問した現地の薬科大学や薬局その他の医療施設での英語のやり取り、米国人薬剤師による講演など様々な英語のインプットを了解のもと録音し、各場面での学生の理解度をアンケート調査した。この出張ではまた、現地の薬科大学で英語教育を担当する教授、講師との面談も実現した。外国人留学生に英語での薬学専門教育へと橋渡しするために実施されている英語教育について、教授方法や教材などの貴重な情報を頂くことができた。更に、ボストン市内の調剤薬局に赴き、OTC医薬品購入時の薬剤師との会話を録音させて頂いた。この録音で得たデータは今後の事前教育用の教材作成の資料として役立てられる大変貴重なものである。 2.私が担当しているボストン海外薬学研修の英語事前教育についての報告を神戸薬科大学紀要『Libra』に掲載した。この事前教育では、神戸薬科大学が平成24年度に文科省から助成を受けて構築したe-ラーニング学習システムによる自己学習を取り入れており、その効果について学生のアンケートを基に検証した。 3.日本薬学英語教育研究会(JAPE)のメンバーとして、日本薬学会編「実用薬学英語」テキストの執筆に携わった。また、代表執筆者として取り組んできた「英語で学ぶ災害看護」も刊行した。これらは医学・薬学系大学の海外研修に向けての事前教育にも利用できる英語教材である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ボストンへの海外薬学研修の同行により、薬学部が行う海外研修の一例としての実態調査、現地の薬科大学教員との情報交換を行うことができた。また、平成27年3月の日本薬学会にて、海外研修を積極的に推進している他の薬科大学の教員と海外研修の実施方法について情報交換することができた。医学部・薬学部対象に行う予定のアンケート調査結果については、平成26年8月に外国語教育メディア学会(LET)に参加し、アンケート結果のデータ分析に必要となる因子分析の手法について学ぶことができた。 【研究計画の変更点】 本科研費申請時には、海外研修の実態調査方法はアンケート調査のみで、現地調査を考慮していなかった。平成26年度は実際の海外薬学研修に同行し調査することにしたことが大きな変更点である。アンケート調査の準備は整えているので継続して行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ボストン出張で得たデータの整理・分析を行う。具体的には、特に海外研修中の英語インプットの難易度と学生の理解度の関係を、英語事前学習の学習量の観点から検証したい。「薬学部における海外研修の実施状況把握」、「神戸大学医学部医学科学生海外派遣参加者の卒業後の診療活動状況と意識調査」についても、アンケート調査を平成27年度中に終了させ、データ分析を開始する。平成27年度は本研究最終年ではあるが、再度ボストンに赴き、前回収集することができなかったデータを収集し、今後の研究につなげていきたいと考えている。
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