研究課題/領域番号 |
25370676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
矢野 謙一 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (00271453)
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研究分担者 |
岸田 文隆 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (30251870)
植田 晃次 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (90291450)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 朝鮮語 / 文法 / 教材開発 / 韓国 / 国際情報交換 |
研究概要 |
今年度の研究は(イ)平成24年度までに個別になされた研究成果の共有(ロ)学習文法の原稿(たたき台)の記述の基本形式の決定(ハ)たたき台とする原稿の作成(ニ)たたき台原稿の検討と修正(ホ)用例採集の継続(ヘ)韓国での新資料の収集と話し言葉の用例の補完的採集をおこなった。 (イ)研究成果の共有はこれまでの研究で見つかった韓国の学校文法の長所と弱点、中国の学習文法の限界について共通の認識を持った。(ロ)と(ハ)では記述の基本形式は助詞、語尾、形式名詞について簡潔に定め、例文を10例づつあげたたたき台原稿を作成した。(ニ)原稿の検討のため、研究会を6回開催し、文法形式の説明と例文が適切か、例文と説明に矛盾はないかなどを確かめ、修正箇所と修正の文案を決めた。(ホ)用例の収集は2012年と2013年のベストセラー順位10までと理系の人気書籍を10点、計30点を入手し、そこから用例を補完した。(ヘ)韓国にはそれぞれが個別に出むき、記述の問題点について解決法を探った。話し言葉の用例収集は現地での調査も有効であるが、雑本や俗な雑誌、新聞から採取するほうが、効率的とわかり、雑誌、雑本、新聞、ビラなどを集め主にそれらを材料に用例を収集した。 今年度末までに語形成、名詞、代名詞、動詞の一部、終結語尾、補助語幹、連体形語尾、接続語尾、形式名詞とそれを含む表現、補助用言についてたたき台原稿の作成が終了し、うち終結語尾、補助語幹、連体形語尾、接続語尾、形式名詞とそれを含む表現について研究会で検討を加え、修正した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、全体の作業のなかで最も困難と予想された助詞、語尾、形式名詞の記述の3つに時間を費やした。この山が越せるかが、今後の文法記述の速度を決めるであろうという予測であったが、改善の余地を残すものの、原稿がほぼできあがった。この面においては順調であるといえる。 ただし、現地調査の面では計画のおよそ2/3程度しか実行できず、このため例文の補完作業がやや遅れている。この理由は、韓国での調査に関わる費用の研究費の使用についての会計ルールが出発前の説明と実際の運用がことなったため、この問題の解決なくして現地調査で満足のゆく成果が得れないと判断し、現地調査を2度延期したためである。このためおおむね順調と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
例文採取の過程で従来の説とは異なる用法が散見され、これらの事象を本研究では補足的な説明にとどめるか、従来の見解を改めるべきものかという問題が生じている。これを解決するため先行研究のより幅広い調査が必要となるが、国際的に情報を交換することで解決の大筋はみえると予測している。これ以外は研究計画調書の研究計画・方法で述べたとおりに推進できると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年2月に韓国での現地調査および資料収集の旅行を行ったところ、精算時に、研究費の使用の会計ルールが出発前の説明と実際の運用がことなり、研究協力者への支払いなどで支障がでた。この問題の解決なくして現地調査で満足のゆく成果が得れないと判断し、春休みに予定していた現地調査を延期し、それに伴う研究会も延期したため差額が生じた。 昨年度延期した現地調査を6月から7月にかけて1回、8月の下旬に1回行うことにしている。またそれに伴う研究会を定例の研究会の期間を普段より長くとることになるので、その滞在費用として使用する。
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